基本を押さえた作品
(2006-08-14)
「悪魔の赤ちゃん」シリーズの第一作目。全三作の中ではもっとも良くできていると思います。
ある夫婦が出産のために向かった病院で医師たちが惨殺されます。その犯人は異形の赤ちゃんだった、というお話です。
ラストはかなり重苦しいムードで見終わった後も尾を引きます。
この作品を見て最初にビックリしたのが、この残虐な事件を起こしたのが赤ちゃんであることがかなりあっさりと受け入れられることです。
ずっと赤ちゃんは誘拐されていたと思われていて、殺人事件が続くことによって初めて真相が分かる、という展開を予想していたのでかなり意外でした。
また、この作品はホラー作品ながらもただ観客を怖がらせるだけではなく、トピックスが盛り沢山です。
食品添加物・薬害・公害といった社会的な問題にチョロっと触れながら、親子の愛情をテーマにしていく。
本来被害者であるはずの夫妻がマスコミによって苦痛を受けるなど現代でもたびたび起こっていることへの視点も忘れません。
映像的には赤ちゃんの全体像は極力見せることなく引っ張るサスペンスの基本的手法がとられていることも見逃せないでしょう。
勿論違和感を覚えることもありますが、基本的には真面目に作ってあり後の2作との間には大きな差があります。
千円以下で買えるのですから買って損はないと思います。
「赤ちゃんよ永遠に」
(2006-08-13)
‘赤ちゃん’は、無垢で無力、大人たちが守ってあげなきゃ、生きていけない存在。そんなごく当たり前の大前提を逆手にとった、ちょっと社会派で、ちょっと人情話なB級ホラー。環境汚染による突然変異と思しきミュータント赤ちゃんが、鋭い牙と爪で次々と大人たちを虐殺。本来はいたいけな筈の泣き声も、バケモノの雄叫びのように耳障りな響きを発する。「人類の唯一にして最大の希望である赤ちゃんさえ信じられなくなったら、我々はどうすればいいのでしょう?」という、終末論的な雰囲気が漂う映画。赤ちゃんの不気味な造形はなかなかグッドデザイン賞なんだけど、全身がキチンと画面に収まる場面は、ほぼ皆無。必要以上にもったいぶって、終始、チラ見せ赤ちゃん。その割には、恐怖演出はいまひとつ巧くない。とは言え、悪魔の赤ちゃんが生れてしまった苦悩の夫婦を演じる役者の演技は、人の親としての悲哀と葛藤に溢れ、見応えがある。原題の「It's Alive!(生きているんだ!)」には、悲痛な響きを感じずにはいられない。ただ、ラストのあのシーンは、赤ちゃん自らの行動なのかどうなのか意味不明な映像になってしまい、何とも画竜点睛を欠く感じ。
なかなかいい作品だと思います。
(2006-07-20)
ラリー・コーエンの多分唯一の日本公開作品だと思います。2作目3作目とかなり変な作品になっていく様な気がしますがこの一作目はかなり良くできたホラー映画だと思います。突然変異として生まれ殺人を繰り返す赤ちゃんとその家族を描いています。低予算なので赤ちゃんはあまり出てこないのですが逆にそれがいいサスペンス効果になって楽しませてくれます。怪物として生まれた赤ちゃんを殺そうとしながらもやはり愛情を感じてしまう父親や世間の非難など関係なくとにかく赤ちゃんを守ろうとする母親などキャラの描きわけもなかなか良くできてると思いました。特典のコメンタリーもアメリカでは扱い悪かったけどフランスで評価されたとかトリュフォーに会った時の話とかなかなか面白いコメンタリーだと思います。