南北戦争と西部劇の香りがする明治の日本
(2008-01-23)
鉄道開通が国家を繁栄させる!その列車を襲撃する侍!?って西部劇の設定で始まり。「侍は銃で戦うのを卑怯を信じている」とか…戦国時代に当時では世界にも類をみない大量の重火器を用いていた日本は、明治には未開の地に?藩や城主という概念もなく、侍はインディアン部族のように暮らしています。剣術を半年ほど習ったトムは剣術の名手となり侍をバッサバッサと切り倒す。(日本の剣はそんな甘くありません。)日本についての捉え方はデタラメも良いところですが、なぜ星5かといえば、細かな点を無視しても「美しい日本」が見事に再現されているからです。ロケはニュージーランドなので日本にはあり得ない山々も登場しますが、そんな設定を無視!四の五の言わずに「魂」で感じましょう。日本の家族、友情、忠義、そうした「大和魂」が息づいています。何より渡辺謙を初めとする日本俳優陣の演技は素晴らしいの一言。主役はトムですが、演技力では完全に日本人に食われています。例え歴史観が間違っていたとしても、(美化された間違いだから気にならない…)当時の日本の姿を最新CG技術などを用いて映像に残してくれたことは深く感謝です。ハンス・ジマーの音楽も素晴らしい!!しかし、今作を観ると監督のエドワード・ズウィック氏は歴史公証はかなりいい加減なようなので、彼が監督した南北戦争の傑作「グローリー」も真実とはほど遠かったのでは?と勘ぐってしまいます。監督お気に入りのシーンなのでしょうか「グローリー」と酷似したシーンが「ラストサムライ」にも登場します…娯楽重視?。因みに「HDDVD」で観るラストサムライの美しさには圧倒されます。DVDをお持ちの場合でも、比べて観るともう抜け出せません。
失われゆく「日本の心」を見事に描く
(2007-12-02)
西洋近代化に飲み込まれる日本の魂「侍」の最期を描いた作品
南北戦争で先住民と戦った記憶によるトム・クルーズの苦悩、葛藤が彼の内面を良く描いている
にわか騎兵隊で初めて侍と闘った時の侍の描き方が秀逸
威勢良い掛け声の後、静かに霧の中から現れる侍の姿は威風堂々迫力満点
そして忍者も決死の暗殺者と言う姿を描き秀逸である
消えゆく日本の最期の魂「侍」の死に様、生き様に感動
西洋人であるトム・クルーズが日本人以上に徐々に侍の魂を理解し尊重していく姿も感動
渡辺謙,、真田広之の太刀さばきも時代劇とはまた少し異なる迫力ある殺陣で見事である
静かに耐え忍び、奥ゆかしく献身的に介抱をする小雪は、時代の日本女性の姿を見事に演じている
多くを語らぬその内心に秘めたる熱き想い
寡黙に自ら為すべきを為す
その日本人の姿は、今は失われてしまった部分も多いと感じる
四季移ろいゆく日本の景色の映像も非情に美しく見事
日本米の消費低迷、日本酒の低迷、和心の崩壊、消えゆく日本文化
西洋近代化時代同様、自らの国民性、文化をないがしろにし、外国文化にばかり目が行きがちな現代日本人にとって、
もう一度自分の国の歴史文化、素晴らしさを見直すのにも良い映画であると思う。
不思議な雰囲気だが面白い・・・
(2007-11-25)
幕末・明治なのに何故か鎌倉時代的な半農の武士の集落が出てくる。だが、それが良い。
トム・クルーズ演じるお雇い外国人の主人公は、その集落に拉致され、
徐々に集落の暮らしに溶け込み、集落の武士たちの明治新政府への反逆に与する。
この作品で強調されるのは「武士道」だが、肝心の武士たちが武士道が生まれるより前の時代の姿をしているのが倒錯していて笑える。
渡辺謙は神。
勝元=西郷さんだったの?
(2007-05-09)
アメリカ人が作った、日本を題材にした映画ということで、重箱の隅をつつくのに夢中になるような、枝葉末節に拘って、中心に流れるテーマが見えない人(映画を映画として楽しめない人)は、残念ながらこの映画は観ない方がいいだろう。いや、観ないで欲しい。
当然ながら、渡辺謙や真田広之が、いくら口を出したとはいえ、まだ変な『日本』はたくさん出現する。しかし、私には、まるで、日本の映画に、トム・クルーズが出ているように思えた。
ハリウッドの技術と予算は、ここまで明治の日本を表現(再現)できるのかと、感心した。
ただ、色彩が濃いように感じた。特に、桜が、妙に濃いピンクに見えたのは、ちょっと気になった。小雪も、何気に濃かった。まあ、こんなことは、『枝葉末節』だ。
アメリカの歴史(日本の歴史も(^^;A)は、よく知らないが、19世紀末、南北戦争の英雄、オールグレン大尉(トム・クルーズ)は、アメリカの原住民討伐で、何の罪もない無抵抗のネイティブ・アメリカンを殺戮したことが心の傷となり、軍人としての誇りを失い、酒に溺れる日日を過ごしていた。
そんなある日、オールグレンに、日本政府の軍隊の教官という仕事のオファーが来る。他にすることもないので、報酬を釣り上げ、承諾する。
このとき、交渉に来ていたのが、大村(原田眞人)だが、なんだか不思議な人物だ。演じている原田眞人は、映画監督で、これが俳優としては映画初出演。キャスティング等について、エドワード・ズウィック監督の相談に乗っているうちに、自分が出演することになってしまったそうだ。
オールグレンは、海を渡り、明治初期の日本にやって来る。
日本だ日本。富士山だフジヤマ。船から見る富士山を頂いた島に、心躍る。
ここからは、セリフも、日本語が多いし、字幕を見なくていいから、楽だ。ただ、外国人通訳の話す日本語は、何を言っているのかわからない。その部分には、字幕が欲しかった……。(^^;A
トム・クルーズ以外は、ほとんど日本人しか出て来ない。最初にも書いたように、日本の映画に、トム・クルーズが出ているようだ。なんだかそれだけでも、嬉しくて、ワクワクして観ていた。
さて、題名になっている、『ラスト サムライ』は、いったい誰だったのか? 勝元(渡辺謙)か? オールグレンか? 私は、そのどちらでもなく、明治天皇だと思った。
アメリカ人に、「あんまりアメリカの言いなりになってちゃあいけないよ」と言われたような気がした。
ハリウッド映画を観ていると、日本とはまったく関係ない作品でも、『日本』がチラッと登場する。日本人観光客の団体が映ったり、カタカナがプリントされたTシャツを着ていたり……。
この映画をきっかけに、大リーグで日本人選手が活躍しているように、ハリウッドで日本人俳優が活躍する、そんな時代が来たと思う。
もう、日本語の看板がチラッと映るだけでなく……。
圧倒的な画質と音質
(2006-10-25)
映画の内容自体は、どうしてもアメリカから見た日本という感じで多少違和感を感じるところが多く、なぜ侍である渡辺謙が英語ペラペラなんだよ、みたいなところはあります。
しかし、HD DVDというメディアの力を発揮するにはとても良い素材だと思います。映像はもうDVDには絶対に戻れないほどの鮮明さがあり、音質もかなり良いです。HD DVDに足を踏み入れる第一歩としては良い作品だと思います。