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特撮ファンに限らず、映画好きやアート好きにも是非観て欲しいドキュメンタリー (2006-09-06) 日本の近代芸術史のなかで、高山良策氏の怪獣造詣は不当に軽んじられている。大魔神、ウルトラマン、ウルトラ怪獣たち。。。40年間に渡って、日本国内に知らない人のいない立体造形物を作った芸術家って、他にいるか?岡本太郎の太陽の塔だって、今の十代二十代の人間は知らないほうが多かろう。だが、そんな若い世代も、大魔神やバルタン星人は絶対に知っているのだ。 アカデミズムにおいて、その知名度を持って大衆性として軽んじられているとも考えられる。事実、高山氏本人も晩年までは、怪獣造詣を本来の芸術活動とは一線を引いた、糊口をしのぐ手段として考えていたようでもある。だが、晩年の高山氏は、「四半世紀を超えて抜群の知名度とともに愛される作品」を残しえた自信を抱いていた。おそらく、他の日本の芸術家では類を見ない偉業である事にご自身も気づかれたのであろう。そうした惑いや達観にいたる所まで、本作では言及している。 「大魔神」の特技を担当した黒田義之氏や、「ウルトラセブン」からデザインワークで共に仕事をした池谷仙谷氏など、映像製作の現場からのコメント、高山夫人の当時の証言、ガッツ星人の製作風景を高山氏が8mmで撮影した「ある小さな記録」など、映像史的にも極めて貴重な証言とあわせ、海洋堂社長など現在のサブカルシーンで寵児となっている「怪獣マニア」たちの語る高山怪獣の魅力が、芸術家・高山良策の姿を、ありありと描き出している。 特に重要なのは、GyaO配信という特殊な構成が幸いしたか、最終二話は「池袋モンパルナス」というタイトルで、戦前の日本美術の状況。。。高山氏が青雲の志を抱いてた時代。。。についても詳しく触れられている。サブカルチャーとしても、マニアックなものとして扱われていた怪獣造詣というか高山氏の芸術活動について、初めて真摯に、ファインアートのアプローチで語られた、記念すべきドキュメンタリー作品である。