能面の様な迫力
(2008-07-23)
松田優作のハリウッド進出と共に遺作となってしまった作品。主演のマイケル・ダグラスやアンディー・ガルシア、日本のトップスターの高倉健を差し置き、圧倒的な存在感とふてぶてしい演技には久々に興奮させられた。特に最初に画面に現れたレストランでの偽札の原版を奪うシーンはレストランに居合わせた客と一緒に緊張感を味わった。日本での大規模なロケで話題となり、興行的にも大ヒットした映画ではあるが、ストーリー自体には大した面白みもなく、バブルで鼻息の荒かった日本が世界的に脚光浴びて、日本を舞台にした映画が多く作られた時代の映画だったと思う。
この頃のR・スコットは本当によかった。
(2008-02-05)
御大扱いされて久しいリドリー・スコットがジャパニーズ・マフィアを題材にした稀有な映画です。
「ブレードランナー」を髣髴させる無国籍風の日本や世界に名だたるヤクザの恐ろしさを異人さんがここまで描けると言うところに脱帽です。
よかった所は、ヤクザの親分を演じた若山富三郎、ダース・ベイダーのような声色でアメリカが仁義を守らない愚連隊を創った、と語るくだりです。英国人ならではの中立的な視点に好感を持ちました。
極めて中途半端
(2008-01-03)
ストーリー・演出・アクション、全てに置いて極めて中途半端。
松田優作に絶賛の声を上げる人が多いが、それ程の存在感も迫力も無い。(目を剥いてボソボソ喋れば凄みがある、ってものでもないだろ…。)
高倉健の方がマイケル・ダグラスと張り合うのではなく[受けの演技]で誠実さ、無骨さを際だたせ、名優振りを見せている。
ラストの銃撃戦から犯人連行の降りは少し爽快感がある(展開は無茶過ぎるが…。)
優作信者で無い人が観るとあまりの過大評価に肩すかしを喰らう。
凄まじい映画
(2007-11-05)
リドリースコット監督の作品だが、さすがなだけあって、単なるアクション映画ではない。俳優人がすばらしいだけにとどまらず、それぞれの持ち味が十分すぎるほど発揮されており、素晴らしいの一言に尽きる。マイケル・ダグラス、アンディ・ガルシアの二人が素晴らしいのはもちろん、松田優作、高倉健の存在感が凄い。主役を食う勢いだ。よき日本人の警官らしい実直さを演じる高倉健の演技は素晴らしく、また想像以上に英語を何の苦も無く話す姿は驚嘆だ。
また、不気味なやくざを演じる松田優作。彼の演技の不気味さ、アクションシーンの凄さも際立っている。
タイトルの『ブラック・レイン』は日米関係の暗い部分を映し出している。
撮影のほとんどが、日本というのも驚きで、よくこれだけ日本を中心に描いたものだと思う。
全編通じて悲壮感が漂う映画だが、驚きと素晴らしさに満ちている。
異文化コミュニケーション
(2007-10-14)
松田優作の迫力が凄いです。映画公開時は大学生で、バイト代をはたいて劇場に2回も観にいきました。
刑事とヤクザの対決といった使い古されたストーリーですが、アメリカと日本という異文化衝突、世代間の衝突という背景に加え、アメリカ側も白人とヒスパニック系のコンビ、日本側登場人物も標準語と関西弁(吉本芸人多数出演)と、各国内の異文化も入り乱れ、大阪の街の猥雑な景色とともにごった煮的パワフルさを感じさせます。ただ、日本以外ではヒットしなかったそうですが。
そういえば、この映画の公開当時のラジオ番組で、泉谷しげるがこの映画の日本人刑事役オーディションに臨んだのだが、結局オーディションの時にはいなかった高倉健に決まっていた、と騒いでいたのを思い出しました。
主演がストイックは高倉健さんではなく八方破れの泉谷しげるだったら...、ちょっと想像がつきませんが違う作風でそれはそれで面白かったかもしれません。