秀作サスペンス
(2006-12-12)
1955年米製作。ある日、グレン(ハンフリー・ボガート)を始めとする脱獄囚3人が、ダン(フレドリック・マーチ)の家に押し入ります…。文字通り必死に逃亡しようとする脱獄囚と家族を必死で守ろうする父親との駆け引きを描いたサスペンスです。ボガートは、スターになる以前によくやっていたピカレスクに扮し、他の追随を許さない圧倒的存在感を見せている一方、マーチもまた、典型的なアメリカの父親としての存在感を見せ付け、演技共々必死の攻防を繰り広げます。グレンの逃亡の手引きをする愛人がいますが、電話口だけで実際に姿は見せません。この“姿なき演出”、W.ワイラーは得意です(『女相続人』でも“母親の姿なき演出”をしています)。
古典的基本的筋書き
(2006-04-01)
1955年作、白黒作品。脱獄囚3人が平和な家族のもとに押し入ってくる。グレン(ハンフリー・ボガード)がとことん冷酷無比なボス役。家の主人ダンは家 族を守るため、グレンとの必死の息詰まる駆け引きが始まる。同時に家族の絆は強固になっていく。「人質監禁立てこもり事件」のまさに基本形。この作品の特 徴は無駄が一切ないこと。ダンだけではなく妻も子供たちも自分なりに囚人たちに立ち向かう。「手に汗握る」とはこのこと。終盤グレンは「つまらない人生な ど要らない」と口にする。彼の内面を垣間見ることが出来る唯一の台詞。
ハンフリー・ボガードがワルを演ずることへの興味は完全に満たされた。ウィリアム・ワイラー監督の手腕にも脱帽。