赤と緑の
(2007-07-22)
あれよあれよという間に終わってしまった作品。
最初の気球の衝撃的なシーンを元にもっと映画的に話が膨らむのかと思えば、
そうではなく得体の知れない不安さや日常的視点がちょとずつずれていく様を
美しいグラフィックで描かれている。
思ってる内容よりもサラリとしていて爽快感さえも感じられた不思議な映画でした。
原作も読んでみたいと思いました。
終わってからジェームズボンドだと気づきました。こてこてのアクション俳優かと思ってたので、ああいう知的な役もすごく似合うのだなあと思いました。
原作もあわせて読んだほうがいいかもしれない
(2007-07-08)
ブッカー賞作家、イアン・マキューアンの「愛の続き」が原作です。「愛の『続き』」です。終わりではなく。原題はEnduring Love。
以前、原作を読んだのですが、読み応えがありました。
この映画は、若干、設定やストーリーに手を加えてありますが、それについては、小説の文庫版に解説があったように記憶しています。原作をあのまま映像化するのは、難しいだろうと思いますね。原作者のマキューアンが製作に加わっているので、大きく外れないようにいろいろと工夫はされているんだと思いますが。
ひとつの見方としては、先に原作を読み、そのあらすじを下敷きにして、「あ、こんなふうに映像化を試みたんだなー」くらいで見ると楽しめるかと思います。
心理面の描写や展開の妙などは、やはり小説に譲るとしても、特筆すべきは、ダニエル・クレイグの演技力。やっぱり上手いなと思いました。
加えて、色彩が鮮やかで映像が綺麗なのもよかったです。
原作を先に読んでしまった身としては、予備知識なしでこの映画を見たらどうか、という点についてはハッキリといえないのですが。。。
うーん…その場合はちょっと物足りないし、なんだこれ?って思ってしまうかもしれませんね。
緑と赤のコントラスト
(2007-01-31)
ダニエル・グレイグとサマンサ・モートンというキャストと題名に惹かれて見ました。
オックスフォード郊外の広く澄み切った空気の下に何処までも広がる緑の芝生、そしてそこに飛んできた真っ赤な気球。
静かな緑の田園風景に赤い色が飛び込んできたとたん、のんびりとした時間の流れが一気に急テンポとなり、そこで起こった悲しい事件により主人公の人生が大きく変わっていきます。
ラストにどんでん返しや意外な展開を期待していたので、終わり方は納得いかなかったのですが、美しい田園風景とそこに飛ぶ気球という図柄の美しさが記憶に残る作品でした。
リアルな心理サスペンス
(2007-01-16)
この作品に関しては、語ってしまうと、スリルもサスペンスもかなり軽減されてしまい、普通のヒューマンドラマになってしまいます。サスペンスの部分も楽しみたいのであれば、あらすじもレヴューも読まずに観られたほうが賢明です、としか言いようがありません。そのほうが主人公と同じペースで、同時進行で同じ心理状況を味わえます。
キャスティングに関しては、ご承知の新ボンドこと、ダニエルクレイグが主人公を演じており、翻弄される生真面目な役所を見事に表現しています。ハリウッドB級サスペンスもとは違い、カメラワークの芸術性、フォトグラフィの美しさといった面でも質の良い仕上がりになっていますので、そう意味でもクオリティの高さを満喫できるでしょう。
真っ赤な気球に絡み合った人生
(2006-12-01)
全くの他人同士が、気球に引き付けられたかのように人生を絡ませる。
大きなトラウマを抱えてしまった主人公ジョーの不安定な精神状態を中心に物語は進む。まずクレアとの愛情にひびがはいる。追い討ちをかけるように同性愛癖の男ジェッドがストーカーとしてジョーに絡む。ジョーの苛立ちと、それを全く受け入れないジェッドの行き着く先はうなずけた。
真っ青な空となだらかに広がる緑の丘陵。死んだ夫の女性関係に疑いを持った妻が真実を知り安堵する。ジョーとクレアの2人がアップからやがて点となり景色の中に消えてなくなる。静かで美しいエンディング・・・。そして始まるエンドロール。
その途中で「彼」がカメラに向かって微笑んでいた。
不意を衝かれて一瞬固まってしまうが、拍手!!
最後の最後までお楽しみが用意された、見応えある静かな心理サスペンスだった。