ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
名作ぞろい (2006-09-30) いわゆるセット販売は好きではありませんが、このセレクションはいい趣味ですね。特にタクシードライバーは、歳月を経て古びるどころか、ますます異彩を放つ名作でしょう。物語の展開はきわめて唐突であり、奇怪な静けさを漂わすエンディングは不可解この上ない。予定調和とは全く無縁な世界。映画全体からきしきしと神経を逆撫でするような音が聞こえるようです。 デニーロの演技を見ていると、かなりの即興性を感じます。あの時代にたまたまと共に生を受けた異能の俳優と監督が、時代の雰囲気を、凡人にはない鋭敏な感性で嗅ぎ取って、若いエネルギーをほとばしらせて作った作品だと思います。この作品のデニーロは、まさに余人をもって代え難し。 60代になった現在のスコセッシとデニーロはこの作品をみて、ノスタルジー以上のもの、若き日の自分に対する一種の畏敬の念、のようなものを感じるのではないでしょうか。