長距離ランナーの孤独
(2007-09-11)
「長距離ランナーの孤独」という映画があった。従順に走り続けたランナーが、走らされて
いる矛盾に気付いた時、突如立ち止まりその社会に向かって冷笑を浮かべる。という内容だった。
「タクシードライバー」は現在の長距離ランナーの孤独を描いた映画だと思う。
主人公トラビスは、大統領候補に「この街を水洗トイレのように洗い流して欲しい」と言うが
実際そうしたのは、自らが握った銃だった。しかし闇を撃っても心の孤独は止みはしない。
静と動、愛と暴力、優しさと冷たさ、・・・。
その振幅が大きくなり、やがて極限を超える時、トラビスの心は爆発する。
けだるいアルトサックスの音をバックに、夜の街を流す車窓から見る雨に煙るネオンは、
まるでサム・フランシスのにじみの絵画のようだ。一変して、殺戮現場の壁に飛び散った
血飛沫は、まるでジャクソン・ポロックによるアクションペインティングだ。
皮肉にも、N.Y.が最もN.Y.らしい時代だった。
9.11以降、もはやこのような「内憂」だけを描けなくなった。
映画も変わった。N.Y.を疾走するのは、リュック・ベッソンの「TAXI」の世界なのだ。
特典映像の中で、「家庭に戻ったアイリスはどうなったか?」という質問にJ・フォスターは
「何も変わらないはず」と答えたと言う。しかしその後、彼女自身も2つのオスカー獲得と
エール大学卒という大きな変化を遂げるのである。
仕込み銃がかっこいい!!
(2007-06-02)
難しいことはさておき、あのデニーロの仕込み銃にほれました。
息をするのをマジで忘れた、鬼気迫る一瞬の銃撃戦。
あの鬼気は、デニーロだからこそのもの。
そしてあの状態から、うまく纏め上げるシナリオも素晴らしい。
デニーロの狂気をはらむ演技と、最後の話のまとめ方に、素直に感動しました。
映画の流れは、トラビスの時間の流れなので、すこし我慢するほどゆっくり
ながれるときもありますが、最期まで見る価値のある映画です。
骨太な映画です
(2007-02-17)
アメリカの底辺層のタクシーの運転手を勤める青年が、歪んだ社会構造の中で、
精神的に参ってしまい、いわゆる『街のダニ』を掃除しようと武装し、売春を斡旋する輩を
殺しに行くというストーリー展開で、
最後には売春婦にさせられていた少女(若き日のジョディ・フォスター!!)を
『なりゆきで』助けてしまい、その両親からお礼の手紙を受け取ることになるのですが、
別に青年が本質的に『ヒーロー』になったのではなくて、図らずして『ヒーロー視された』に
過ぎません。(根本的な彼の精神的な病は治っていない感じ)
ただ青年は、「自分が強くなった」と錯覚し、無鉄砲な(鉄砲は持ってるけど)行動に出てしまった
だけなんではないでしょうか。
それはまるで、昨今の10代や20代の若者が起こす犯罪を見ているようで、
何か後味の悪いものが残りました。
スコセッシは天才もいいとこ!!
(2007-02-04)
あー、こりゃ傑作だわ。
最後の流血描写のねちっこさが斬新かつ強烈。
スコセッシはヴァイオレンスを描かせたら一流だね。ホント天才!
デ・ニーロの狂気の演技もサイコー!凄すぎて窒息しそうなった。
思わず腕立て伏せしたくなりますよ!(笑)
最近、「ディパーテッド」見ましたが、やっぱりスコセッシ健在ですよ!バカみたいに面白かった!!
気合が入りまくった暴力とR-15爆発の台詞がバンバン飛び出てきて、クライマックスは凄すぎの血まみれカオスが炸裂!!
まさにスコセッシ節ですよ!!
たまらんですよ!!
「ギャング・オブ・ニューヨ−ク」「グッドフェローズ」もオススメですよ。
デ・ニーロとスコセッシは最強タッグですね。
ディカプーとも相性良しですよ。
とにかく、「タクシードライバー」は間違いなくスコセッシの映画です。スコセッシだから作れた傑作。ヤツは神様ですよ。超オススメです!
名画中の名画。最初の5分でこの映画がただものでないことがわかる
(2006-10-06)
あの音楽はTaxiDriverだったのか。ヘンリーマンシーニだと思っていたけど、バーナード・ハーマンという人。今まで聞いたことがなかった。ロバートデニーロが最後にルームミラーを覗き込むのはあれは何を意味しているのだろう。ベッツィーとのチャンスをみすみす振った自分に決別したのか。街のスカムたちを一掃できない無力な大統領候補にいらだちを覚え、自分で掃除にかかってヒーローになってしまった。その後どうするのか、という不安のあらわれなのか。
ハーベイ・カイテルがあんな若いのは初めてみた。ジョディ・フォスターは、あんな子役に毛の生えた程度なのに、今としゃべりかたが同じなのは当然と言えば当然だが、やはり名女優は違う。