ジョン・ダールの名声を高めた傑作
(2008-02-06)
B級娯楽映画を撮り続けるジョン・ダールのこれまでのところ最高傑作ではないだろうか。カルト的名作「蜘蛛女」には一歩及ばないものの、この映画に出てくる悪女もある意味徹底していて、リンダ・フィオレンティーノの演じる悪女は機転が利いて、頭が良くてセクシーでとても魅力的で、おまけに悪事に対するためらいや後悔といったものがまったくないのが痛快。彼女はこの映画でいくつかの女優賞を貰っていたはずで、その後の活躍が今ひとつなのが惜しい。ビル・プルマンが間抜けな亭主役、J・T・ウォルシュはちょっと悪徳な弁護士で、この2人はいつもの役で嬉しい。
唯一の欠点は、だまされ続ける田舎者のマイクのキャラクターで、あまりにお人好しでオツムが悪すぎる。この役だけは映画の進行上、便利なあまりにご都合主義的な存在であり、最後にマイクが仕組んだどんでん返しがあるものだと勘違いして期待してしまったら、そのまま終わってしまってちょっと拍子抜けしてしまった。
「女」を武器にとことん悪女
(2006-03-17)
夫クレイ(ビル・プルマン)が麻薬の取引きで得た70万ドルを盗んで逃げ出すブリジット(L・フィオレンティーノ)。彼女はNYを捨て、田舎町ベストンに身を隠す。観る者は彼女が悪女であることを知らされる。
彼女の事態対処のすばやさと判断の正確さは全編通して痛快。手玉に取られる夫クレイや、性のはけ口のようにうまく使われてしまう田舎町の青年マイク(ピーター・バーグ)らの「ぼけっぷり」がまた楽しい。プッと吹き出してしまうような場面いっぱい。
上品とは言いがたい悪女役のL・フィオレンティーノ、情けない男を演じさせたら最高のビル・プルマン、悪女に上手いこと使われた田舎の青年ピーター・バーグ。3人3様のしっかりしたキャラクターが、切れの良いストーリーを作り上げていた。