しゃべる、しゃべる、しゃべる…
(2007-02-03)
とにかく最初から最後まで主役の二人がしゃべって、しゃべって、しゃべりたおす恋愛映画です。
しゃべること、自分をさらけ出すこと、そして相手の話に耳だけでなく心をも傾けて聞くことで、互いを知り理解しようとする二人を見ていると、「他者と分かりあうこと」のなんたるかを改めて教えられた気分です。
相手のことが大事で、互いに信頼しあってたら、言葉にしなくとも分かりあえる。
もちろん、それはそれで美しいことなのだけど、それにとらわれるあまり、かえって恋愛迷路にはまってしまってる人には是非見てほしい映画です。
珠玉の会話映画
(2006-12-25)
欧州大陸を走っている列車の中で知り合う二人。アメリカ人青年ジェシーとフランス人のセリーヌ。互いに育った国も勿論、環境も習慣も違うし、言語さえ違う。でもそれは二人の刺激となり、会話をすることによって互いを理解し合おうとする姿は見ていてとても気持ちが良い。この映画を観ていて悟ったこと・・・それは会話の重要性だ。二人の関係を彩るアクセサリーとしての会話、お互いがお互いを理解するための会話・・・求める気持ちを静めるための会話・・・いろいろなシチュエーションをいきいきと醸し出すのが会話なのである。
観終わって、特別心に残ったとか感動したとか、そういうことはないが、なぜか気になる映画である。イーサン・ホークとジュリー・デルピーがさりげない演技でとってもいいのである。そして、その後、二人は会ったのだろうか?・・・続編ができたのもうなづける。
成熟とは、身体以上に激しく心を通わせようとすることである。
(2006-12-15)
列車の中の男女の微妙な距離、そして魅力的なstrangerに対して
「この人を信用して大丈夫なの?」という疑念と、
「もしかして恋に落ちるかも」というかすかな期待の中で
心を開いて行く複雑な女心は、一人旅をした女性なら誰もが経験したことがあるはず。
2人の会話もわざとらしくなく、何気ない言い間違いや、本筋とは直接関係のない
たわいのないやりとりが、結果としてストーリーを美しく仕上げている。
細部を丁寧に描くことが、映画の出来を左右する好例。
アメリカ男とフランス女の特徴をも良く捉えて、ときどきクスリとさせられる。
■■■廉価版にしないでほしいくらい、好きな映画■■■
(2006-08-20)
■まだDVD化されていない頃、ビデオで観て、ジュリー・デルピーの大ファンになりました。まるで妖精みたいに肌がしろくて、長い髪がきれいになびいて、全体的に透き通るように美しいです。続編を見ると、歌手としても活躍している彼女の歌も聴くことができます。
■会話が主の映画なので、好き嫌いはあるかもしれませんが、台本があるとは思えないほど、物語の進行には関係なさそうな話題もぽんぽん飛び出してリアル。まるで自分もその場にいるような気分にさせられます。
■ヨーロッパの街並みや墓地、公園も綺麗だし何となく懐かしく、別れる時間の迫った、チェンバロの聞こえてくる朝の街のシーン、大好きです。
語りあうことによって紡ぐ恋の行方は
(2006-04-29)
94年の夏、アメリカ人青年のジェシーはヨーロッパ旅行中に列車内でフランス人学生のセリーヌと出会う。意気投合した二人は、ウィーンで下車して翌朝までを一緒に過ごすことに。お金のない彼らは朝日が昇るまであてどもなく街を歩きながら、人生について語り明かし…。
長回しの1ショットを多用し、全編に渡って二人の濃密な会話が展開していく恋愛映画です。といっても「恋愛とは」「人生とは」といった具合に小理屈で恋愛を綴ってみせるという作品ではありません。出会ったばかりの若い二人が、会話によって互いの信条や価値観を素直に開示しあいながら、まるで積年の友人同士であるかのような心のつながりを短時間で築いていく様子が、実に無理なく描かれています。
セックスや口づけではなく、言葉によって心のつながりを紡いでいくことは容易なことではありません。それは人としての越し方と行く末をお互いに試されるような緊張感を伴った企てといえます。
それが出来なくても恋愛は出来るでしょう。しかし、それが出来たときに生まれる恋愛が強固で洗練されたものであるということをこの映画は見せてくれます。
二人の恋愛の行方はどうなるのか。この映画の幕切れは私たちに何も伝えてくれません。この映画が作られた95年当時は続編の構想はなく、私たちは10年近くに渡ってそれぞれの“アフター・サンライズ”を思い描くことができました。
しかし私たちは今、続編「ビフォア・サンセット」(2004年)によって監督自らが描く“アフター・サンライズ”に接することができます。正編・続編どちらも大変素晴らしい映画ですが、ひとまずは「ビフォア・サンライズ」のエンディングを噛み締めた上で「ビフォア・サンセット」に取り掛かることをお勧めします。