G、A、T、C。
(2008-07-12)
カーセックスという自然受精?でこの世に生を受けたヴィンセント(イーサン・ホーク)は、推定寿命32歳の不適合者。遺伝子操作で優勢遺伝子のみを受け継いだ弟や適合者から差別されて育ったヴィンセントは、ジェローム・モロー(ジュード・ロウ)という元アスリートの力を借り適合者=エリートになりすまして宇宙飛行士を目指すのだが・・・。
遺伝子操作技術の進んだ近未来では、生態認証による検問がいたる所で行われる。その網をかいくぐるために、ジェロームの毛髪や皮膚、血液や尿を使ってカモフラージュするのだが、プロスポーツ選手のドーピングチェックにも応用できそうなあの手この手の替玉作戦は、まるでクライムサスペンスを見ているようなドキドキ感がある。不適合者としての存在をこそぎ落とすように、カプセルの中で自分の皮膚をゴシゴシとこするヴィンセントの姿が痛々しい。
『Gガール』や『キル・ビル』における破壊的なヒロイン役もなかなかだったが、美しいブロンドをきっちりとアップで持ち上げて、かっちりとしたコンサバスーツに身をつつんだクール・ビューティ、ユマ・サーマンの存在も見逃せない。そして映画にしつこいほど挿入されるスペース・メランコリックなBGMは、マイケル・ナイマンならではのリリシズムを映画から引き出すことに成功している。
ガタカ(DNA構成要素の頭文字を組み合わせた造語)と呼ばれる宇宙センターで起きたある事件の容疑者として疑われるヴィンセント。他人になりすましてまで脱出したかった地球だが、その事件を通じて知り合った人々との友情や愛情を生まれてはじめて経験したヴィンセントは、やはり地球に生きて戻りたいとせつに願うのだ。映像、脚本、役者そして音楽。すべての要素において平均点を上回る本作品には5ツ星と呼ぶにふさわしいクオリティの高さを感じる。
最も好きな映画
(2008-06-07)
いままで、たくさんの映画をみてきたましたが
僕は、この映画が一番大好きです。
何度も何度もみました。
何度もみたけど、いまでも色褪せることなく
こころにぐっとくるんです。
もし、あなたがくじけそうになった時、是非
みてみてください。
あえて多くは語りませんが
だが希望はある
という一言にすべてが集約されているといっても
過言ではない。
考えさせられる作品
(2008-05-03)
努力と才能と運命はどう違うのか?深く考えさせられる映画です。SFではなく人間ドラマだと思います。悲しくも美しい生き様というのでしょうか。ラストは涙してしまいました。
意外と知られていない傑作
(2006-08-15)
こんなに素晴らしい作品なのに、周囲に聞くと意外にも知ってる人が
ほとんどいないのが残念。人種や家系でなく、遺伝子の優劣で
階級が決定される近未来社会。この作品はSFに分類され、映像は
硬質な美しさ。ですがテーマはむしろヒューマンドラマです。
遺伝子操作なく生まれたヴィンセントは、身体機能や寿命に
問題を抱えながらも血の滲むような努力をし、誰が見ても実現不可能と
思える自分の夢へと突き進んでゆきます。
遺伝子操作を受けた優秀な弟との確執と逆転。そして、偽装用DNA
を提供してくれるジェローム(完璧な遺伝子を持ちながらトップに
なれず人生に挫折)との深い友情。水泳をモチーフとした、ヴィンセントと
それぞれ二人との人生の対比の描き方も見事です。そして遺伝子検査官の
最後のセリフと粋なはからいが最高。強固な意志と努力が、人間の
可能性の「限界」を超える瞬間に、胸が熱くなります。(セリフの
内容は是非観て確かめてください)
大抵の人は自分の可能性と自己実現に、彼ほどの努力をしていないの
ではないでしょうか。私もその一人です。日々に流されて
生きてるなあと感じた時、繰り返し観ています。
文句なしの傑作です。
なんだ?このユーウツは!?なのにひたすら熱く泣けてしまう
(2006-08-05)
1997年公開。そう遠くない、人間の可能性と未来が全て遺伝子で管理される時代の話。親の愛の結晶として生まれたヴィンセントは遺伝子異常で心身ともに劣等の烙印を押されてしまう。遺伝子操作で生まれた優秀な弟には親の愛情や故郷への愛着を奪われ、社会からは自分の将来の夢への可能性を奪われ、夢など持ちようのない低級下層市民の生活をしていた。それでもあきらめきれず努力に励む彼に、優秀な遺伝子を持った男の人生に成り代わるチャンスがやって来る。彼は他人に成りすまし、心身をすり減らして宇宙飛行士への夢を追いかけるのだが・・・。
ひたすら憂鬱な世界で熱い人間ドラマが繰り広げられます。ひたすら自分の劣等遺伝子を隠すごまかす憂鬱なゲームを続けながら、宇宙へ行く夢を追って血のにじむような努力を続けるヴィンセント役のイーサン・ホークの涙モノの演技。そしてその夢の影武者となるジュード・ロウの美しさと存在感も本作当時新人だったというのが嘘のような凄さ。
ラスト少し前で、宇宙局の職員がヴィンセントの遺伝子データを黙認するシーンとその台詞に、製作側のメッセージを見るような思いがして実にホロッとさせられました。
冷たく美しい映像の中に人の心の熱さを封じ込めたような映画です。自分にコンプレックスを感じていたり現状に壁を感じている人はぜひ一度本作を観るのをお勧めします。「ショーシャンクの空に」とは一味違った視点で、心に強く訴えかけてくるものがあるので、また何か落ち込むようなことがあれば、マイケル・ナイマンの切ない音楽と役者陣の熱いグルーヴを求めて本作を観返そうと思います。
DVDの仕様については、メイキング映像などの特典に字幕や音声切替などの補助が一切ありませんが、作品と低価格化に免じてよしとしておきます。