原作で補完しながら見てください。
(2008-05-15)
原作を先に読んでおり、非常に期待した作品でした。配役も十分過ぎるくらいそろっています。ロケ地も最高に美しい場所です。
しかしながら全体に普通のドラマに終わってしまっています。
ポイントは2つに感じました。
1つは、脚本にもうひと工夫ほしい点。原作では、四日間という時間の進行をひとつの軸としており、その奇跡が起こるまでに十分読者に「なんなんだよ奇跡って。どんなことがおこるんだよお。」期待させてくれます。実際奇跡の内容自体は「最近よくあるよなあ、このパターン」ということなのです。が、その奇跡が起こるときには既に各人物の置かれている状況やこの特殊な療養施設とその風景のとりこにされており、「四日間」の出来事が染入るように心を満たしていきます。映画の「第2ボタンからのつかみ」には?と感じます。
もうひとつは、カメラワーク。ここが決めという礼拝堂のピアノシーンはすばらしいのですが、そういう決めのシーンとその他のシーンの差が激しく、その他のシーンのカメラワークはTVのドラマとしか思えないのが残念。また、すばらしい風景にも関わらず、画面にその絵を活かす光の使い方の妙があまり見えておらず、「せっかく映画なんだから1カット毎切り抜いてもすばらしい絵になるように工夫してよ」と思ってしまいます。(もちろん予算や時間の都合なんでしょうが、、、。)
やや残念な感じの残る作品でした。
TVドラマの香りが・・・。佐々部監督どうした?
(2008-04-27)
本作の設定は申し分がない。吉岡秀隆、石田ゆり子、西田敏行などキラ星のごとくの名優陣に平原綾香の主題歌。気持ちのいい山口県角島の風景。それなのに、なんでこんな出来になってしまったのか。原作は未読なのでわからないが、恐らくは脚本の力不足によるものだろう。落雷で人格が入れ替わるような話はハリウッドでもたくさんある。わが国でも「秘密」という佳作があった。でも「秘密」では入れ替わる「意味」があった。残念ながら本作では入れ替わる「価値」がない。石田演じる真理子が人格のみならず何度も映像で千織(尾高杏奈が好演)と入れ替わるので、ウソっぽいのである。千織が本来なら完璧に真理子のコピーをしなければいけない。でもそれだと尾高が完全に二人分の芝居をしなければならず、やはり新人にはつらいだろう。石橋蓮司や松坂慶子も最後の奇跡で病状が回復してしまうのはどうかと思う。TVドラマならありがちだが、これは映画である。名匠・佐々部監督は脚本にも参加しているのに一体どうしたことか。このあと起死回生の傑作「夕凪の街・桜の国」を生み出すので、そのギャップにもびっくりである。映画的カタルシスも薄く、星2つ。
ぜひ、リメイクを
(2007-09-15)
先に原作を読んでいたので、そのイメージと比較しての感想です。
診療所の場所は、山奥の高台。早朝、夜明けの山なみの黒い稜線の向うから真っ赤な太陽が覗き始め、そのほのかな光を浴びて、患者たちの黒い人影の行列が、小さな教会に向かってゆっくりと進んで行く。原作で一番印象的だったシーンです。
映画は、場所を島の海辺に変えていて、その美しい風景がいいという人が多いが、山奥の診療所に起こった神秘、雷鳴や最後に教会からかすかに聞こえてくるピアノの音、月光ソナタの美しい曲の響きとは違和感がある。山間の静寂と、少々の暗さと、そこに差し込んでくる明るい太陽の光こそがこの物語の背景としていちばんピッタリしている。。
配役について。千織は太りすぎだし、可愛さが足りない、もっと小柄で真理子に負けないくらい可愛く、発育が遅れていて幼い感じはするが、賢そうな閃きを秘めている子のイメージ、敬輔の吉岡秀隆も少し違う、もう少しきりっとした感じがほしい、伊藤英明とか。西田敏行と平田満は役を逆にしたほうがいい。石田ゆり子は適役で好演、未来と萩原君も悪くなかった。
真理子の離婚の事情、前夫と後添いの妻とその子の来訪は話だけにして、画面で見たくなかった、倉野医師の奥さんもあまり姿を見せないほうがいい。本題から外れたサイド・ストーリーは画面からできるだけカットして、本題に集中してほしい。
原作は、スピリチュアリズム的な問題、「心は体を離れて存在し得るか」「心或いは霊は死後も存在し続けるか」をテーマとした、優れて精神性の高いラブストーリーです。それだけに映画化は難しい。上記の点に配慮しより本質に迫った別仕立ての映画か、テレビドラマをぜひ見たい。
奇蹟あるある大辞典
(2007-08-31)
『稲妻に 思い弾けた 入れ替わり 奇蹟振る舞う 聖母降り立つ』
良い素材があって何故??
(2007-01-12)
良い原作、豪華なキャストがあって、この程度の作品しか出来ないのかと残念に思いました。美しい風景の見せ方も、人物の書き方も、思いも、どれも中途半端でスポットが当たっていません。小説などが原作である場合どこを削るかは制作陣の腕の見せ所です。いくら何でも手の指を亡くした事故シーンはちゃちで、あんなただっ広い場所で雷鳴の中外で遊び続けるのは不自然だし、奇跡もわかりにくい。ましてやいくら吉岡さんが名優といえど、大して引けないピアノを無理矢理簡単な曲を弾かせるのはピアニストとしてのリアリティにも乏しい。(冬のソナタの方がピアノシーン上手に撮っていました)どうしてもテレビドラマのDr.コトーと比べてしまいますがドラマであのクオリティが出せるのになぜ?映画で?・・・と思います。好きな作品なだけに悔しいです。