黒澤明の「天国と地獄」のリメイクでもある
(2007-08-11)
誘拐犯に屈服して身代金を払わず、懸賞金を掛けて戦うという選択は、いくら最初のFBIの犯人逮捕の失敗があっても、もし結果的に子供が殺された場合は非難ごうごうであろう。しかし少々強引なやり手実業家というキャラクターをメル・ギブソンが演じることでこの設定にも説得力がある。メル・ギブソンでだけでなく、ゲーリー・シニーズやルネ・ロッソも好演している。
1956年の「誘拐」のリメイクでありながら、その後の1963年に公開された黒澤明の「天国と地獄」に多くの影響を受けており、犯人のセリフでも被害者のいる天国と犯人のいる地獄の意味を語らせている。序盤から中盤のメル・ギブソンと犯人の緊張感あふれる戦いが、終盤少し、単調で失速するのが惜しい。大傑作のはならなかったが、ロン・ハワード監督の佳作のひとつ。
イニシアティブ
(2006-11-25)
守りから攻めへ、受け身から攻勢へ、転ずる瞬間が、まことに劇的だ。攻撃こそ最大の防御ということを強烈に伝えている。能動的にイニシアティブをもってまさにドラマの行く末のキーを握る人物像の、なんと魅力的なことか。
息もつかせぬサスペンスの傑作
(2006-01-13)
航空会社社長のトムは息子を攫われて身代金を要求されるが、素直に
金を渡すと殺されると思い、とんでもない妙手を打つ。
と、言ったところが大まかなストーリーです。すばらしいのは
息子を攫われて混乱する夫婦が精神的追い詰められて行く演技。
とくにベランダでフラフラするトム=メル・ギブソンの絶望的な
姿はとてもリアルで感情移入できました。
それと、警官でありながら犯罪グループのリーダーであるシェイカー役の
ゲイリー・シニーズがすごく良い悪役ぶりです。
終盤も予想だにしない展開で独特の緊張感がありました。