東映ビデオ
イデオロギーを感じさせない戦争映画の名作 (2007-02-15) この映画は私が最も好きな映画の一つだ。DVD化される迄、この映画を観る為だけに今や邪魔なだけのビデオデッキを保持し、隣町のレンタルビデオ屋まで毎回足を運んでいた。 この映画は太平洋戦争を題材にしているが、戦争のアクション的な要素よりも、兵士達の人間ドラマに重点を置いている。 決死の特攻出撃を前に、国の為に既に死を覚悟している者、残される家族が気になり脱走を企てる者、特攻機を掩護し部隊を指揮する者、特攻機を整備する者等、それぞれの立場の人間の心情が、違和感なく描写されている。 そしてその一つ一つが観る者の、母国への気持ち、家族への気持ち、友人への気持ち、愛する者への気持ちに強烈に訴えかけてくる。偏屈なイデオロギーや、愛国心ではない。それらに共通しているのは人間愛というべき普遍のものなのかもしれない。だから私はこの映画を何度も飽きる事なく現在も観ているのだろう。 作中の設定も史実とミスマッチな物はなく、歴史考証的に捉えても、違和感のない作りになっている。 目的ありきの安っぽい戦争映画ではなく、観る者に考える機会を与えてくれる純粋な日本の戦争映画として私はこれ以上の作品を知らない。