英語版、162分劇場公開版のレビューですが・・
(2007-12-28)
後年のビスコンティ作品「地獄に堕ちた勇者ども」を連想させる、貴族の没落を
描いた大作。「地獄に・・」のほうが衝撃的な内容なのでこちらのほうがとても
落ち着いた、地味な作品に感じてしまった。
監督自身を描いた作品、という見方が多いこの作品。
監督が名門貴族出身で、それでいて共産党に入党したり、貴族社会の没落と
来るべき若い社会を冷静に受け入れ態度はこの映画の主人公、サリーナ公爵とかぶって見える。
純粋に作品を楽しむ、という点ではちょっと違うけどやはり監督自身の
経歴を知って見たほうが作品を楽しみやすいし、テーマもはっきりわかる気がします。
蛇足なのですが、劇中「美女」という役回りのアンジェリカ
自分としてはまったく美しいと思えませんでした・・・
意地悪そうな顔で、往年の大映ドラマでヒロインをいじめそうな顔、というのが
私の印象です。
劇場公開版はシドニー・ポラックの監修とのこと
貴族は死なずただ立ち去るのみ
(2007-09-27)
ビスコンティがクラウディア・カルディナーレのバッグの中身にまでこだわったという、シチリア貴族の絢爛たる衣装、豪華な宮廷内の装飾を十分に堪能するには、やはりデジタル・リマスター版で鑑賞することをおすすめしたい。
アントニオーニのイタリア映画にも必ずといっていいほど招かれるハリウッドスター。アフレコのため口の動きとイタリア語音声がまったく合っていないのが気になるところだが、シチリアの名門貴族ファブリツィオ・サリーナ公爵を演じるバート・ランカスターは、マッチョな前歴とは裏腹に、なぜかビスコンティ劇場では何の違和感もなくその存在感が屹立している。新時代の動きに機敏に対応する才気あふれる公爵の甥タンクレディを演じたアロン・ドロンを軽くしのいでいる。その相手役、新興ブルジョワの娘からタンクレディの妻におさまるアンジェリカを演じた若きクラウディア・カルディナーレは、頬のあたりがふっくらとしてまだあどけなさが残っているが、そのウエストは完璧なまでにシェイプされ、ビスコンティがこだわりぬいた舞踏会用のドレスが美しくスクリーンに映えていた。
イタリア統一戦争の波に翻弄されるシチリア名門貴族サリーナ家は、ミラノの名門貴族であったビスコンティ家とそのまま重なる。『新旧2つの世界にまたがって生きている』サリーナ公爵が中央政府の使者から上院議員就任の勧誘を受けるシーンにおいて、この映画のテーマがよく語られている。『異文化の圧迫を受け続け、2500年間自らの文化を作り出せなかったシチシア人は老いている。我々は長い眠りを求めているのだ。…ただ忘れ去られたいのだ』『血なまぐさい事件も、甘美な時の流れに身をゆだねるのも、結局は官能的な死への欲求なのだ』『現状を肯定する者に向上はのぞめぬ。自己満足は否定よりも強い』こんな言葉を外資系の会社で言おうものなら、「お前やる気あんのか」と上司からまちがいなくどやされるのがオチだが、ライオン髭をたくわえ人生の悲哀を味わいつくした老公爵が切々と語ると何とも説得力があるから不思議だ。仏教の<無常>にもつながる世界観を、アメリカを含めた新興国の人々が理解するのはおそらく難しいだろう。
既得権益にしがみつき、いつまでも後進に道を譲ろうとしない日本のご老人たちに、この映画で描かれる<去り際の美学>を是非学んでほしい。
ヴィスコンティの最高峰
(2006-12-17)
二度ともうこんな映画監督は現れないだろうし、二度とこんな映画は作れないだろう、と思われる作品。
ヴィスコンティの生涯の映画のテーマは首尾一貫したものがあったと思うが、その中で「山猫」こそが、ヴィスコンティの最高峰といえるのは、西洋キリスト教的な貴族文化の象徴であり、その最高の趣味を現出しながら、時代の変化の中に敗北し、滅びゆく姿を描きながらも、アラン・ドロンとクラウディア・カルディナーレ扮するカップルに、未来への希望をつなげていくところだと思う。消え行く姿が、決して悲しみだけで終わらせていないところが、この作品の最高の評価を与えているところであり、他のビスコンティ作品とも一線を画している点なのだろう。
若い頃のアラン・ドロンは、本当に美しく、こんなに格好良かったのだ、とあらためて感じさせられたし、なぜ、この作品がカンヌの最高賞なのかも、観て納得できた。
ヴィスコンティそのものは、貴族であり、クリスチャンでありながら、共産主義者というとても矛盾に満ちた人ではあったけれど、この作品の中に、彼の資質のすべては現われているといえよう。
以前 NHK で見て・・・
(2006-10-03)
以前 NHK で放送していてその時、余りしっかり見ていなくて、・・山猫のDVDを捜して・他のサイトで発見したのですが!在庫がなく捜していたら、運良く購入・・・でき即再生、本編が長いですが!素晴らしい映画デス!ただ今のところ吹き替え版がないので、途中で飽きてしまいますが、是非、まだ注文出来る時に購入する事を!
字幕について
(2006-08-24)
常々思ってたことを初めて書くんですが、この映画って字幕がかなり
良くないです。会話の続く場面なんかは意味不明で、論理的に支離滅裂に
なっていたりします。これが星を三つ減らした理由です。
この次に、この作品がハイビジョンスペックで出版されるまでに是非
修正してもらいたい個所です。