ガエル・ガルシア・ベルナルならではのゲバラがそこにいる
(2008-12-15)
メキシコ出身イケメン俳優、ガエル・ガルシア・ベルナル主演で話題になった、モーターサイクルダイアリーズ映画版。
原作のある作品の映像化の利点は、想像ではカバー仕切れなかった美しい景色を目の当たりにできることである。そして、欠点は、映画というエンターティンメントを追求のために、事実が多少捻じ曲がる点にあるだろう。
ゲバラをあまりに欲目で描きすぎている点も気になった。
どちらかというとハンセン病患者に研究意識を持ち、未来像をしっかり描いて旅していたのは6歳年上のアルベルトの方であって、ゲバラはと言えば、初恋相手のチチーナにどっぷりだったり、仕事もせずに美女と戯れられるという伝説のイースター島にこだわったり、結構、普通のアルゼンチンの若者っぷり(世界に名高いアルゼンチン人の性癖をお忘れなく*原作本より抜粋)を発揮させていたんだが、そういう部分よりも、やはり後に革命家になる気付きみたいなものに重点が置かれていたので、ものすごい真面目で寡黙な青年のようになっていた。
映画ならではのちょっとセンチメンタルで繊細なガエル・ガルシア・ベルナルのゲバラをお楽しみ下さい。
1952年7月カラカスで別れたゲバラにアルベルトが再会するのは、8年後、キューバを統一し革命家になった後となる。朋友のため、キューバ医大を作りハバナに留まった現在のアルベルトが最後に1カットだけ登場し、印象に残る。
国境を越えるとき思うのは・・
(2008-07-29)
「母さん、国境を越えるときに思うのは、去る国への郷愁と
新しく出会う国への希望です」
「ラテンアメリカは無意味な国籍により分断されていますが・・」
前者は旅の途中の母への手紙、後者は旅の終わりに近いころのスピーチです。
国境を越える時の気持ちはバックパッカーとして痛いほど
胸にささります。そしてスピーチは、まさにエルネストの原点であり
エルネストのすべてです。
ブエノスアイレスのオンセ駅、船旅での一コマ、旅の途中の病気、
BA大好きな私としては垂涎モノののシーンばかり。
とにかく爽快で若さあふれる映画です。
自分が旅を楽しむだけでなく、私もエルネストを助けた多くの人々のように
暖かい思いやりを持って見知らぬ人に接することができるように
なりたいと心から思いました。
これを見てまたチェゲバラをいっそう好きになること間違いなし!!
そして近い将来絶対南米縦断することを決意しました!!
期待と違った・・・
(2008-05-18)
チェ・ゲバラがなぜ革命家になったのか?
それを描いてると期待してみてみたら、若いにーちゃんの旅行日記でした。
チェ・ゲバラの名を使う必要あるか?それって感じ。
いい話だと思う。思うけども・・・
革命家チェ・ゲバラを求めていたぼくにとってこの映画は期待はずれでした。
ゲバラを知らなくても
(2008-03-29)
十分に楽しめる映画だと思います。
旅を続けるに連れて、エルネストとアルベルトの進む道が分かれていくのが何ともいいです。
お坊ちゃんから強い信念を秘めた表情に変わっていくエルネストと、定職を見つけ落ち着いた表情になるアルベルト。
アルベルトの旅はこれで終わり、エルネストはまた新たなる旅、南米社会を変える旅に出ようとする、そんな予感がしました。
にしても主役2人がイイ!男前なだけでなくちょっと頼りなげで、しかし不思議なカリスマ性を感じさせるガエルと、
何ともいい意味で俗物(?)なロドリゴ。いいコンビだ・・・。
現代への警告?
(2008-01-30)
このロードムービーの素晴らしさは皆さんがレビューしてくださっているので私は作者がちりばめた現代への警告について感想を書きたい。
バイクは現代文明のメタファーである 馬、牛、は古代文明、又は自然だろう。たびたびバイクは馬や牛に追い抜かされ、故障したりする。そして牛にぶつかって壊れてしまう。最初こそ強そうに見えたポデローサだが、相当やわいものだということである。これは作者による現代文明への警告であろう。移動手段もバイクと同じで徒歩に なったり人力のイカダになったりする。これは人はいつか原始的方法に回帰する、という作者の予言だろう。この作品が作られた頃は環境問題が話題になっていた時期であった。これら以外にも様々な現代文明への示唆が含まれている。それらは全て現代文明にたいして批判的だそして彼らの旅を近代からの人類の進歩と未来と捉えるなら最後に主人公は飛行機に乗って帰っていく。それを老人が凝視するそこには結局は科学という力へ帰っていってしまうだろう人への悲しみが出ているのだろうか。しかし飛行機には彼という希望も乗っていた。