日本人の日常
(2008-01-26)
原作のよさを高倉健が完全に表現していて、ファンとしてはたまらない作品です。脱サラして開いた居酒屋の主人として、諸々のつらさに耐える姿が素晴らしく、今の若者たちにも理解して貰いたい。芸術作品か否かなどという議論ではなく、日本人の日常生活とはこんなものだと悟るためにもいい作品です。
なんかものすごいカオス。
(2007-10-12)
「パラダイス・ビュー」という映画で見かけたことを継起に、細野晴臣氏の、たたずんでいるだけでその場の空気をものすごく珍妙にする俳優未然?の存在観にひかれ、数少ない出演作を探しだそうと頑張っております。
YMOが終了する直前あたりの出演になるのでしょうか。
どうして出る気になったのか、もはや皆目見当もつきません。当時の心境と映画のぞんざいなやけっぱち感がシンクロしてしまったのでしょうか。とかく、パンチ頭の伊丹十三の横にいて全く劣らぬ怪演ぶり。市役所、とゼッケンを付けたタンクトップを一枚着たはいいけれど、あんまり線が細いので、努めて気持ち悪くしようとするところが逆に痛々しく泣けました。
見渡せば、一つの画に高倉健と伊丹十三と加藤登紀子と細野晴臣が同居するという、なんかもう、ものすごいカオス。
田中邦衛と健さんが男ふたりの渓流キャンプに行ったと思ったら、おっぱいキャバレー。
四畳半で大原麗子が呑んだくれたと思ったら、野球少年肩故障。
まったく脈絡のないびっくりエピソードの羅列でおいて、映画自体のおそるべき抑揚のなさ。
そうしてこの収集のつかない泥濘カオスを、たった一言のフォローで終結に導く加藤登紀子の絶対性。
とんだおもしろ映画なのに、テンション低過ぎて、どこも笑えない。
たいへんなもの見ちゃった、としか言いようがないです。そういう意味で、これは体験すべき映画かも。
少し愛して、長〜く愛して。
(2007-09-08)
『燃え上がり 燃え尽きてなお あなただけ 見つけてくれるの ずっと待ってた』
豪華キャスト総出なのに
(2007-07-23)
高倉健をはじめ、大原麗子、加藤登紀子、田中邦衛、伊丹十三、左とん平 他、豪華キャスト総出演。監督は降旗康夫、撮影は木村大作、音楽は井上尭之。
これほどのメンバーがいながら、なんとも後味のよくない映画。
俳優陣の演技はうまいのだが、話が暗い。
兆治(高倉健)とさよ(大原麗子)は相思相愛の仲だった。理由があっていっしょになれなかったのだが、さよはどうしても兆治のことが忘れられない。
嫁いだ先の農場の火事がもとで子供を捨てて家出をし、生活はどんどんすさんでいく。ときおり兆治のもとにかかってくる無言電話。しかし、兆治は何もできない・・・
後ほど知った話であるが、原作は山口瞳であって、監督の降旗康夫は忠実に映画化したそうである。
もう少し「救い」のある話にできなかったのかなあ。
エンディングは一工夫あって一見の価値あり。
やっつけ仕事がアリアリ
(2007-03-29)
歌に合わせた無体なストーリーの立て方からして不自然。 兆治のキャラもイマイチハッキリしない。 主人公が経営する酒場の女将に起用した加藤登紀子の、とってつけたようなキャスティングはあまりにも安易。 兆治の過去の女という設定の大原麗子の縁起が これまたクサイ。 特に、自己破滅的な性格描写をしたいのだろうが、あのわざとらしい演技は 見るに耐えない。 これはキャストの演技力のなさというよりも、監督の質の問題でしょう。 一見してヤッツケ仕事であることが見え見えの映画。 これほどヒドイ駄作はそう滅多に見られるものではありません。 そういう「レアもの」的な意味では一見の価値はあるかも知れませんね。 払ったお金と費やした時間の徒労感と、 統一感のない印象ばかりが残る作品でした。観客を侮ってはいけませんよ。