近未来の世界観と映像が見物
(2004-10-07)
青と黒、そして光を基調とした映像が印象に残る。様々な技術が発展した未来が舞台であり、登場するシステムやマシンにはスピルバーグの遊び心が結集している。それらを見るだけでも中々楽しい。CGの使い方も効果的で、物語の設定も面白い・・・のだが、なぜか熱中出来ない。何かが足りないのである。
その理由の1つに、トム・クルーズの起用が挙げられるように思う。元々は殺人犯となる者を取り押さえる任務についていたのに、何かの陰謀によって自分が追われる羽目になってしまうという役を彼は演じているが、なぜかキャラクターとしてしっくりこない。彼の硬派な演技が悪いというわけではない。ただこの魅力的な空想世界の中で、トム・クルーズという広く名の知れた俳優が動き回っても、全くリアルさが伝わってこないのだ。どうせなら主人公には無名俳優を起用した方が、死ぬのか助かるのか分からないスリリングな展開になってよかったかもしれない。
野心を秘めたインテリなウィットワーを演じたコリン・ファレルや、サマンサ・モートンが役にはまっているだけに余計に気になってしまった。
スピルバーグらしいラストは甘いようにも思ったが、全体的に見て近未来の世界観や映像表現は興味深かったので、一度は見ておいて損はしない作品だと思う。