退屈な映画に見えるかも知れない
(2006-08-18)
ですが、フォトジェニックな美しさは尋常じゃないです。
風景画っぽい画面、静物画っぽい画面、暖炉のあかり、居酒屋の紫煙、雑踏。
そしてもう何とも言いようのないラストへの一連のシーン。
驚きです、これ。偶然とはいえこんなシーンが撮れるなんて。
一通りみたら、監督自身によるコメンタリーでも驚きを味わえます。
素晴らしいラストシーンについてですが、ちょっと笑える楽屋落ちが披露されてます。
個人的には価格以上の価値ある作品でした。
詩情溢れるスコット監督の美しいデビュー作(必見)
(2004-08-03)
これは今では巨匠の域に入ろうとしてるリドリー・スコット監督のデビュー作である。我が黒澤や溝口監督などが好んで取り上げてた、歴史外史的かつ現代にも通じる人間や社会の有様を時代劇の中で活写した作品である。完璧な傑作とは言い難いけれど、初々しい叙情性・詩情にあふれ実に美しく陶酔してしまう。出演者たちも魅力的でリアリズムも貫かれ、のちのスコット監督の作品郡でみせる個性もすでに顔を出してて興味深い。
嬉しいのは映像特典。まずはケヴィン・レイノルズ監督とのインタビューで語られるエピソード。ハーヴェイ・カイテルが当初のキャスティングでなく、気難しい上に乗馬も剣も全く未経験だったという。しかし本編を観ると貫禄のある野性味ある剣豪に見えるのだからすごい。監督やスタッフらの意気込みや努力研磨がいかに反映されるか分る。黒澤監督の『七人の侍』に出演していた宮口精二もずぶの素人だったにもかかわらず、映画では一際格好いい剣豪に見えたが、そんなエピソードを思い出した。カイテルは扱いにくかったそうだが、後の同監督による『テリマ&ルイーズ』で再起用しているのだから面白い。
あとこのDVDのためのオーデイオ・コメンタリーも付された上、幻の本当のデビュー短編作(主演は弟で映画監督のトニー・スコット!)が収録され嬉しい。音声もドルビー5chでとてもクリアだ。DVDリリースはかくあるべきと言うお手本だ。こうした点はスコット監督は偉いと思うしファンとしては感謝感激だ。
実は以前にビデオで観た時は、解像度が悪くそんないい印象がなかったのだが、デジタル・リマスターされたDVDを観て以前の良くない印象をひっくり返された。格段に解像度がヴィデオより大幅アップしていると思う。その上廉価リリースされ手に届きやすくなりいいことづくめだ。品切れ前に是非手に入れて欲しいと思っている。