ドイツ文化の優しさの部分を伝えてくれる良作
(2004-12-06)
● 主人公の少女ララと聾唖者である両親(特に父親)との心の交流及び葛藤を、彼女が小学校3年生時とギムナジウム最終学年(18歳)時のエピソードを中心に、描いている。
● ララは、小学校3年生のときのクリスマスで、クラリネット奏者である叔母から、彼女が幼少の頃に使ったクラリネットをもらったことがきっかけで、クラリネットに魅せられていく。しかし、そのクラリネットは、ララの父親にとっては、大人になっても許すことができない哀しい思いでの品であった。
● そのような状況であったから、父親は、成長したララが音楽学校を受験することを快く思っていない。また、聾唖者であることから、娘が自分には理解できない道に進むことが寂しい。この父親が最後には、理解を示してくれる。このラストシーンは、感動する。
● ドイツ映画界は、子どもを扱う映画が得意だ。タティアーナ・トゥリープの可愛らしさやおませな感じには、脱帽する。雪や風や月がどのような音を立てるのかと聞く父親と手話で話す場面は、あまりに美しく涙がこぼれた。映像も美しく、ユーモアやヒューマニティが丁寧に採用されている。まるで、雪降る夜の窓辺に置かれた小篭、温かい飲み物と甘いクッキーといったイメージで、夢を運んでくれる。これも確かに、ドイツ文化の一面なのであろう。
● どぎつくはないが性的描写も出てくるので、何歳からの鑑賞が適切かは、ご家庭の判断にお委ねするところだが、中学生ぐらいからのファミリータイムの鑑賞にぜひ加えていただきたい良作である。
お父さんも娘さんも必見!
(2004-02-18)
ろうあの両親を持つ少女と、その家族の物語です。音楽に興味を持ち、クラリネットを始める少女。両親は音楽の楽しさを理解できず・・・。そりゃあそうですよね。音楽なんて聞こえないんですもん。家族の関係がどのようになるのかと不安に思ってしまいましたが・・・。私は、本当にこの映画が大好きです。両親役は、本当に耳の聞こえない方だそうです。自分は体験できない音楽の楽しさを何とか理解しようとする父親の姿にただ涙してしまいました。
シンプルながらにも、胸に深くしみわたる
(2004-01-03)
ミュンヘンに住むララは、ろうあ者である両親への通訳として暮らしている。父親と仲の悪いクラリネット奏者の叔母クラリッサにララは憧れていた。そんなクラリッサから彼女が少女時代に使っていたクラリネットをララはプレゼントされる。ララはクラリネットの才能を発揮して周囲を驚かせるが、父親だけはララのクラリネットを良く思わない。妹クラリッサとの間を裂いた原因こそがクラリネットだった。・・・
音楽の道を志す娘と、娘が愛する音楽を理解したいと望む両親の葛藤が上手く表現されています。ろうあ者である両親が弱者として描かれているわけでもなく、手話が親子のコミュニケーションとして生き生きと使われている所も素敵です。また、クラリネットの音楽の効果も抜群!特に現代音楽と見事に融合しているのには、びっくりしました!
少女時代のララの名通訳ぶりはなかなか。手話でしかコミュニケーションがとれない両親へ、ちょっと都合良くデフォルメして通訳するところなんか、チャッカリしています。少女時代のララを演じたタティアーナ・トゥリープの、愛くるしい表情と大人っぽい表情のギャップも見所の1つです。