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憎いあンちくしょう [DVD] お気に入りに追加
黛敏郎
山田信夫
出版社・発売元:

日活

媒体: DVD
ランキング: 48262
発売日: 2003-07-17
レビュー (Amazon.co.jp)
   売れっ子タレント・北大作(石原裕次郎)とマネージャー兼恋人の典子(浅丘ルリ子)が、純粋愛のために東京から九州まで運ぶ仕事を無報酬で引き受ける。そこに群がるメディアの好奇に満ちた目。ふたりは無事目的地にたどり着けるのか…?
   軽快なタッチで始まる「憎いあンちくしょう」だが、映画の進行と共に、その軽快さはなりを潜め、真実の愛を追及せんとする裕次郎と、彼を追いかけるルリ子による、日本縦断劇が展開される。その中でメディア批判らしきものを盛り込み、神風タレント・北と裕次郎の姿をダブらせようという、その狙いは分かるのだが、純粋愛を追及するには、あまりに裕次郎の行動原理が釈然としない。
   むしろこの映画の見どころは、前半での裕次郎とルリ子とのやりとりである。人もうらやむ仲なのに、仕事のためキス以降の関係を持たないという、プチ禁欲的な関係をふたりが楽しんでいて、溌剌とした現代女性として描かれた典子を、浅丘ルリ子がはじけるように好演している。このキャラクターが受け、後に典子はスピン・オフして2本の作品に登場したほど。(斉藤守彦)

カスタマーレビュー

古今東西で最も好きな女優・・それは浅丘ルリ子!  (2007-07-28)
60年代の裕次郎と旭の日活アクション物にヒロインとしてよく出ていたのが、
浅丘ルリ子だった。
若いころの彼女は、華奢なその身体がまた可愛くて、小粋で、特にその弾むような、
歯切れのいい声が魅力だったし、切々と訴えるようなその大きな瞳こそ
最大の魅力であった。小さくカーブした鼻と、やや肉感的な唇も素敵だが、
あの目があればこそである。
日活アクションでの、話の筋は違っても、ルリ子はいつもルリ子という
ワンパターンの描き方が、彼女のファンにはたまらなかった。
そんな彼女が、演技力にも相当な技量と才能があることをみせつけたのは、
自分の見た中では、この「憎いあんちくしょう」だった。
このなかで、彼女の演じる女性を通して、浅丘ルリ子自身の多面的な姿
(服を脱いで下着姿になるのも含め)と、激しい役者根性に遭遇できる。
裕次郎の若者らしい無鉄砲さとナイーブさも良かったが、あるときは秘書、
あるときは番組のスタッフ、そして、男の身勝手に翻弄されながらも、
激しくも一途な思いを寄せる恋人としての心の葛藤を全身で表現した
彼女の演技には終始、目を奪われる。
また、映画としての出来も素晴らしいことは言うまでもなく、
俳優の演技、斬新で大胆な画面作り等すべて監督の力量の賜物であろう。
これ以降の映画では、彼女の若々しさが少しずつ消えていき、
成熟した大人の女へと変身していくのだが・・・・。

時代の息吹 鮮烈  (2007-07-14)
浅丘ルリ子が奔放大胆才気溌剌、大活躍。
強烈な魅力を爆発させる。
他方、道徳的保守性、尽す女も、微妙に演じ、
戦中族の複雑な精神構造を表現している。

描かれるマスコミのエゴは時代を超越する。
道々の風景は日本の高度成長の凄まじさを実感させる。
ガソリン30リッター1700円場面より。当時の初任給18000円。

石原裕次郎はジョンウェイン的逞しさに溢れ、
高度成長期の日本がひしひしと感じられる。

浅丘ルリ子ファンは必見  (2007-06-11)
東京=九州間の移動を、慌しいマスコミの生態を交えて綴る、ダイナミックなロードムービー。
めくるめくストーリー展開もスピーディーで、常時テンションは高め。
登場人物のセリフや演技にも、どこか殺気立ったものを感じる。

要するに、作品の主題は、

「恋愛はパッションだ!」
「理屈や観念じゃないんだよ!」
「計算抜きのピュアな感情は素晴らしい!」

みたいな事で、それゆえのハイテンション演出か。
いささか安直だけど、青春賛歌の日活らしいプロットではある。
ただ、観ていてちょっと疲れるかも。
まぁそれでも、虚実が一体化した裕次郎の役どころはリアリティあるし、全国各地がロケで映し出されたりと、見どころが多くて楽しい作品だとは思う。

しかし、一番の魅力は浅丘ルリ子。
若さ弾ける容姿がコケティッシュだし(細川ふみえ似)、メリハリの利いた演技にも圧倒。
特に錯乱状態の芝居は神がかり的で、完全に裕次郎を食っている。

若い人たちにこそ観てほしい、いつまでも新鮮な傑作。  (2006-11-24)
「機内食は肉か魚か/迷う事なく肉を選んだ」とは、クレイジーケンバンドの名曲「男の滑走路」の一節だが、オレにとってこの『憎いあンちくしょう』という映画は、まさにその“機内食”の“肉”に例えることのできる、これからもずっと、心の中で大切にして行こうと思っている作品のひとつである。高校生ぐらいの頃、テレビで見た往年の日活映画の魅力のとりこになり、それ以来傑作も凡作もいろいろ観たけれど、この『憎い…』はいわゆる“日活映画”、いや、“旧い日本映画”の定型にハマりきらない、いつみても新しい感動と勇気を与えてくれる傑作だ。ひょっとすると石原裕次郎は、この作品を“石原プロ作品”として世に送り出したかったのではないだろうか? と思うぐらい、ルーティンワークの対極に位置する、まったくもって斬新な作品である。
冒頭、軽いタッチではあるが、裕次郎演じる超売れっ子タレントの、繰り返す日々や、浅丘ルリ子―演技のすばらしさもだが、チャーミング、かつ美しい!―演じる恋人兼マネージャーに対して抱く倦怠感・・・・・というところから始まり、やがて中盤、裕次郎がジープで東京を発つあたりから“愛っていったい何だ?”“純愛ってそんなにエラいのか?”みたいなあたりを探求する展開となって行く。その旅の途中に何があるのか? そしてゴールには、何が待っているのか? それはぜひ、あなた自身の目で確かめていただきたい。奔放なように見えて、実はけっこう緻密に計算されたカメラワーク、そして劇中、ギター一本で歌われる、映画と同名の主題歌(作詞は当時助監督だった、後の藤田敏八)も印象的。
1962(昭和37)年7月公開。
なお、DVDの映像特典は予告編のみ(いつも思うけど、日活の予告編って、他社に比べてどうもいまいち・・・)だが、撮影スナップ、フォトギャラリー、ロビーカード、作品データなども収録されている。

ルリ子の美しさが輝くロードムービー  (2005-07-24)
数ある裕次郎映画の中でも,ユニークなストーリーの最右翼ともいえる一本。マスコミに溺れそうになる放送タレントとそのマネージャーでフィアンセが織り成す,裕次郎の虚と実が混じったような内容だが,何よりもその後の浅丘ルリ子のキャラクターを決定づけるような彼女の役どころに注目したい。それまでの裕次郎映画に見られない,ルリ子の大胆かつナイーブな演技は,フランス映画的でもありまさに絶品といえる。そして東京から熊本まで,ジープを運ぶ裕次郎とそれを追うルリ子というストーリー。高速道路のない時代に撮られた実写のロードムービーである点も,45年を経た今では貴重である。オープニングからエンディングまで,若き日の蔵原監督の渾身の演出が冴え渡る。

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