色彩がとにかくスゴイ
(2008-05-17)
このDVDを見て最初に思ったことは、「少なくとも画面作るだけで10〜20人はいるんじゃね!?」ということです。
セル、3DCG、そして背景。それぞれに何人か必要だと思います。
皆さんの仰られるようにキャラクターはあまり上手くないです。
そしてストーリー展開も、良いネタなんだけどちょっと詩的過ぎるかなと言う印象。
でも最後の方の、二人のセリフでまくし立てる展開は良かったです。
映像のスクロールや切り替えも少しぎこちない感じ。
さて、ではこれは全くの駄作なのかと言いますと、そうも言ってはいられない。
何がすごいか。それは作者の美的センス。
まず背景がスゴイ。
この人は大抵の場合、写真を加工・利用して背景美術を制作しているようですが、実物より何倍も美しい情景が物語を彩っております。
色彩と画面構成が素晴らしい。
また、カット割りの仕方も良いと思います。
美しい背景をこれでもかと見せ付ける様は、自分の武器をよく理解している感じ。
そのカット割のお陰で少し詩的過ぎる登場人物の言葉も、画面に降りてきたように思えます。
多分この構成の仕方じゃないと、僕としては「何言ってるのこの人たち」で終わってしまったでしょう。
SEの使い方も良いですね。
ロボットの戦闘シーンとか普通にテレビで流れてるアニメみたいでした。
この作品が何十人という人の手を経てテレビで流れていたら、「ふ〜ん」で終わっていたかもしれない。
逆に一人で作ったからこそ画面に統一感が出て、圧倒的美的感覚が全面に出てきたというのもあると思います。
この美的感覚をそれぞれの分野専門(脚本、演出、原画・動画、撮影、音響等)の人々と切磋琢磨すれば、恐ろしい物が出来上がるのではないかと思います。
まだまだ荒削りだけれども、これを自主制作したと言う既成事実を作ったことは、これからアニメ業界に殴りこみ掛けようとしている人々に希望を与えたと思います。
パッケージや雑誌なんかで、「お、この背景すごくね?」とか思った人や、アニメ業界に殴り込みするって人は見て損はないと思います。
同人アニメ的な作品
(2008-05-13)
兼ねてから名前を知っていた「ほしのこえ」を初めて観ました。
頑張って出来ていますが、これって元ネタは「トップをねらえ」ですね…。
画面のアングルは「エヴァンゲリオン」
戦闘シーンは「マクロス」
と同人アニメ的な作品でした。
異星の生物が地球の生物と酷似していたり、数光年も移動しても時間軸にずれが生じなかったり、SF的な要素は乏しいです。
他のアニメを加工したようなオリジナリティの乏しさから新鮮味はなく、かつ宇宙戦闘に高校の学生服で参加している主人公はどうかと…。
作品的には星1ですが、
個人的な作品なので頑張りに星1つプラスです。
同人作品って知ってる?異常な完成度を誇る個人製作アニメ
(2007-07-01)
「彼女と彼女の猫」に続き、新海誠が放った2作目のフルデシタル同人アニメ作品です。
個人製作のため、ややキャラクターデザインのぎこちなさは感じられるものの、
ほぼ一人(!)で製作したその光の鮮やかと雄大さで魅せる見事な美術描写、
美しい楽曲で切ないラブストーリーを高次元に仕上げており仰天させられます。
始まりもなく、終わりもない。
ただ大事に二人の少年、少女の絆の断片を切り取ったように感じられました。
また完全に完結した物語ではないため、これで終わり?と感じる人もいるかもしれません。
宇宙空間と地球上での時間経過の流れが異なるというSF要素を加味して、
徐々に離れていく携帯メールの届く時間と、それでも離れない二人の心の距離を
対極的に描き出した発想が実に巧い。近くにいても心が離れていく貧しさに比べれば
これは幸福?でもやっぱり不幸なの?と様々な捉え方や解釈ができる作品です。
とにもかくにも、同人作品としては他の追従を許さない比類なき完成度に圧倒されます。
ある意味これほどの出来栄えだと他の作家の皆さんの士気を削いでしまうかもしれません。
やればできる!というのも限度がありますよ。ホント、参りました。
現代若者の・・・
(2007-06-15)
初めて新海誠作品を観たんですが、思春期の若者の感情がとてもストレートに表されている作品です!
特に現代の若者には欠かせないツール【携帯メール】の特徴を上手く捉えています。
恋人からの受信を待ちわびる時間、相手の気持ちが分からない送信後の
不安という現代の恋愛方法を
地球と宇宙、絶対に埋まらない距離感が引き立たせている。
久し振りに新しいアニメに出合えた喜びを発見できた。
面白いのでは?
(2007-04-21)
互いの心の距離と実際の距離、メールという形でストレートに表現し、完結にまとめている。
観る人の想像力だけが、短い30分の中で壮大なストーリーを描くことが出来る。
映画を数多く観ている人と想像力の無い人だけが評価を下げ、判り難さを深さと勘違いするロマンチックで恋愛モノが好きな人だけが評価を上げる。
自分は多分後者なのでこの人の作品は大好きですっ!
そもそもこの人の描く女性像が好き。それだけです。