甘い甘い男たちと女たちの西部劇
(2007-09-30)
映画の原作者があの「テス」と同一人のトーマス・ハーディだと知ったとき、それだけで感動した。映画「テス」はわたしにとって大切な映画の一つだったからだ。そのときの主人公ナスターシャ・キンスキーが再び眼前に登場する、薄幸の女性として。替わってしたたかな美女を演じているのがミラ・ジョヴォヴィッチ。
ロリコンのロマン・ポランスキー監督の甘い甘い「テス」と比べて、本作はとてもシビアである。・・・といいたいところだが、やはり、厳しい西部開拓時代、ゴールドラッシュと鉄道敷設事業という活気あふれる状況を背景にしていながら、男たちのこころを癒してくれる甘い香りが全編に漂っている。
娼婦、そして純愛。美女たち。真っ白い積雪の中で男たちの夢がぶつかり合い・・・意外な結末へと導かれていく。
粘っこい作りなので、ハリウッド映画になれているわれわれには少々辛抱が必要かと思う。けれど、がまんすればきっと報いてくれる結末である。
老婆心ながら、Amazonで原作を求めるときは「トマス・ハーディ」のほうがいい。「トーマス」で検索して苦労しました。
さらに申し上げるなら「商品説明」では「トマス・ハーディング」となっており、これではまったく検索にならなかった。Amazonの売り上げのために蛇足ながら一言付け加えておきます。
イギリスの文豪の原作を見事に映画化
(2004-06-14)
アメリカ西部開拓時代を背景に、人間の「廻る業」を正面から描いた感動大作。雪降り積もる中ひとつの開拓村を再現した豪華セットも壮観だが、P・ミュラン、S・ポーリーの期待通りの名演に劣らずN・キンスキー、M・ジョヴォヴィッチらが見せた熱演に拍手。音楽担当のM・ナイマンの「ガタカ」を思わせる美しくもの悲しい旋律の乗ったラスト、雪の白の中で燃え上がる炎の赤は圧巻。久々に出会った胸震える重厚な人間ドラマ。
愛するものとお金の交換、その代償
(2004-05-16)
人の気持ちの重さが、因果なめぐり合わせのなかでうまく描かれております。
それがゴールドラッシュと大陸横断鉄道の建設の時期の大きな環境的変動とともに深くまとめ上げられております。それは自由を求めて新大陸に来た雑多な祖国をもつものをまとめ上げた男の破滅が変化の対応できないために、かつ愛を捨てたための因果応報的な破滅を重ねて描くことで表現されております。その映画の作り方がいい。どう良いのかというと王国の王様のような存在にまで
成り上がった男が昔のメフィストフェレス的な(悪魔との契約)交換のつけというきわめて人間的な出来事のみで破滅するということで人間の本質の思いやりの重要性を強調しているからです。
そして八角堂みたいな住居を移動するという転居のシーンなどの異常性(独裁制)も描かれていて映像のダイナミズムが付与されており、かつ俳優の美しさ(女優の美人トリオ、ナスターシャ・キンスキ、ミラ・ジョボビッチ、サラ・ポーリー)うまさ(ピーター・ミュラン)が画面に美しさと気品を与えております。まさにうっとりとします。ミラ・ジョボビッチのファドも見ものです。本当に歌ってます。バーのショーが美しいですよ。そして特典に各出演者のインタビューもあり大満足のDVDです。マイケル・ウィンターボトムいい監督になってきましたね。
ミラ・ジョヴォヴィッチ好演
(2003-08-08)
文豪トマス・ハーディングらしい作品。原作は本作品よりももっとシビアなストーリーですがそれでは映画にならないらしく映画の方がマイルド仕立てになっています。
お金で妻と子を売り その後ゴールドラッシュで富も名声も手に入れたダニエルの結末は、ハーディングらしく悲しいものがあります。
ミラ・ジョヴォヴィッチはダニエルの愛人でさしずめ女郎屋のマネージャーというところでしょうか。アイドル路線をかなぐり捨てて好演しています。美しいだけでなく逞しい彼女を見ることができます。
大作で作品を見た後もいろいろ考えさせられる作品です。