懐かしい名作
(2008-03-24)
小学生のときに見て、ずっと見たいと思っていた。
改めて見直して、傑作だと思う。
背景に大きなテーマとして置かれているのは「貧困」。
荒廃したイタリアの田園風景も悲しい。
切なくて見ていられない場面もある。
いま見ると、ピノッキオの成長譚というよりは
ゼペットの人としての成長譚として描かれていることがわかる。
その日暮らしで他人に頼り、何事にも悲観的でありながら
けっこう自分勝手な性格のゼペットが
ピノッキオという息子を持つことで、
誰かのために生きる喜びを見いだす。そこが泣ける。
吹き替えはたぶん放映当時のものではなく、新しくやり直されたものだと思う。
いまでは差別にあたる用語を排したり、イタリア語の音声に忠実にしたりしたものだと思うけど、当時のもののほうが情緒にあふれてたような気がするな・・・
リアルなのにファンタスティック
(2003-06-02)
百年以上たった今でも、世界中の子供たちから愛されている「ピノッキオの冒険」(伊/カルロ・コッローディ作)を1971年に伊・仏・西独の放送局が共同製作した全6回のTVシリーズです。 1974年には日本でもNHKで放送され、当時大変な人気を博しました。
DVDには各回がおよそ55分の長さで、2話ずつ、計3枚に収められています。
原作の大筋と設定をベースに、キャラクターの性格付けやストーリーを現実の世界に近い形でリアルに作りこみながらも、不思議とファンタスティックでシュール。 大人もひきこまれてしまう展開になっています。 美術や衣装、メイク、小道具などもヨーロッパ製作ならでは。イメージ豊かに仕上がっています。
ほぼ全編、ピノッキオが人間の子供の姿で活!躍し、演じるアンドレア・ブレスティがしゃべるイタリア語がとてもチャーミング。 (日本語吹き替えも収録しているので小さいお子様も大丈夫。)
学校の問題児、ルチンニョロ(とうしん小僧)とのエピソードには、イタリア映画で培われたネオリアリズムの香り漂う演出がほどこされ、胸がきゅんとしてしまいます。
妖艶な女優、ジーナ・ロロブリジーダがるり色の髪の妖精として、他の作品では観られない、かわいらしい魅力をふりまくとともに、「自転車泥棒」の監督として有名なヴィットリオ・デ・シーカも役者として登場し、脇を固めています。
特筆すべきはフィオレンツォ・カルピによるピノッキオのテーマ曲。 エンディングにも使われ劇中でいろいろなバリエーションで流れる音楽が心に残ります。
私!の観た”ピノッキオ物”の中でも屈指の出来、 愛すべき作品です。お見逃しなく。