裏のマイベスト映画かも
(2007-12-12)
今まで、少なくみつもって15回くらい、繰りかえし観た映画です。私にとっては他のどの映画よりも、愛の厳しさ・辛さが描かれた映画です。北アフリカの大地と空が、まるでそのことを象徴するように、怖いくらい果てしなく描かれています。映像も音楽も本当に素晴らしくて、より一層この映画の文学性を際立たせてくれています。
そして、個人的には、ジョン・マルコビッチがmost favorite actorであることを決定付けた映画でもあります。
私はあなたを守る空になりたかった
(2007-08-18)
サハラの景色は美しい。朱色の大地と青空の対比。砂漠は夕焼け空のように美しく、白い骨のように無駄がなく清潔だ。
後半はほとんど台詞がない。音声がないのではなく、字幕がない。人がいて声が聞こえるだけに、通じ合えない孤独が際立つ。
ヒロインは一声も話さず、顔を隠し、私物を捨て、記憶まで捨て、個性を剥ぎ取られるようにして研ぎ澄まされていくほど、美しさを増す。
愛されたことを忘れるのと、愛したことを忘れるのと、どちらが悲しいことだろう。
人は忘れる。どうしても忘れる。いつか自分自身も忘れ去られる。待ち続けていても忘れられる。人生に終わりがあることまで人は忘れがちである。
孤独からは逃れえず、不安や恐怖に駆られることがあっても、空がシェルターになってくれる。空虚から守っている。このタイトルが切ない祈りのように感じた。
人生のドラマを感じる素晴らしい映画
(2007-03-19)
砂漠いっぱいに広がる喪失感がたまらない、
すれ違う愛、人生の切なさに苦しくなった。
この映画の面白いところは、誰でもキットと、
いつか同じ過ちをしそうと思えるところです。
失って初めて気づく空虚感、孤独や絶望に
見ている私も胸が締めつけられるようでした。
「迷ったのかね」と訊かれ、ホッとするような
微笑みを浮かべるキットが心に残りました。
混沌の中、ひとり残され苦しんでいた彼女は、
あの一瞬、心が楽になったのかもしれません。
異国情緒たっぷりな映像、砂漠の風景も美しく、
人生のドラマを感じる素晴らしい映画でした!
ストッラーロの映像美に尽きる
(2006-12-29)
ベルトリッチがオリエンタル3部作の最後に描きたかったものは、
「ラストタンゴ・イン・パリ」のような喪失感の中にある愛だったのだろう。
この映画をそう思った。
もう少し細かい描写があっても良いかとも思ったが、
2時間の中で描ききれるものでもないだろう。
この映画で特筆するのは、ヴィットリオ・ストッラーロが描く砂漠の描写である。
ほぼ、全編の風景がオレンジの夕日を思わせるトーンで統一されている。
そのトーンが、破綻をきたす3人の主人公をドラマチックに描いている。
ただ、音楽とシーンに若干の違和感を感じる場面もある。
また原作者ポール・ボウルズ本人が出演しているもの珍しい。
80年代から90年代のベルトリッチとヴィットリオ・ストッラーロ
が描く世界を3部作(「ラストエンペラー」「リトル・ブッダ」)と
比較しても面白い。また、どの映画もオープニングタイトルが美しい。
わたしはこれを観てサハラまで行っちゃいました
(2006-07-17)
グランエルグと呼ばれる シーンに出てくる 大きな砂丘はサハラでもそんなにどこでもあるものではありません トアレグも偽物の方が多いくらい この映画は原作者が住んだモロッコでロケしたと聞いたけども そこら辺が砂漠では限界 けど わたしは大きな砂丘が見えたときに 坂本氏のテーマがフルオーケストラで鳴り響き ボーゼンとして涙が止まりませんでした 最後のベルベルの刺青 は まじめにそうなりかねない怖さがあります この映画を観てから入っていなかったら 死んでいたんじゃないかと思うくらいです