地味な良作
(2008-07-11)
キャシー・ベイツがとてつもなく頑固だけど娘を愛する気持ちが強い、
母性-「お母さん」を感じさせる役が泣きたいくらい胸にせまりました。
20余年も奉公人婦として働き続け「その人の一生は手に出る」といったシワだらけの手、
女主人との友情とは簡単に言えない繋がり、細かい描写がサスペンスという枠ではなく
「母と娘」の葛藤が我が身のように心にせまりました。
「世間がどう思おうが娘には信じてほしい」という母親の思いがとても切なかった。
ほか、薬づけの娘役のジャニファー・ジェイソン・リー(とても良い女優さんだと思います)
の名演も光っており、投げやりになりながら精神的に破滅していく心情が
伝わる良作だと思います。
テーマは重いと思うのだけど、見ていて飽きないエンターテイメント性もあるし、
この地味さは本当に勿体ないなと感じます。
事故は不幸な女の友達
(2006-07-03)
スティ―ブン・キングがベイツの為に書いたという作品。さすがの慧眼だ。太った女性というものはえてして「のんきで、人畜無害なお人よし」的に描かれることが多いが、キングはそんなステレオタイプには組しない。ベイツ演じるドロレスはその身にたっぷりと着こんだ肉の下に、哀しみ、怒り、諦め、そして秘密を抱えている。その全容が皮一枚ずつ明らかになり、最期にジグソーパズルがはまるようにピタリとお話が完成する様は見事だ。
キャストが素晴らしい。ベイツはいうまでもなく、その娘(子役も含め)、ろくでなしの亭主、「洗濯ピンは6個じゃなきゃだめ」と言い放つ屋敷の専制君主的奥様が、時にシェークスピア劇をも思わせる演技で物語に厚みを沿える。一つだけ文句を。邦題がいけません。原題でずばっといく勇気をもって欲しかった。
スティーヴ・キング原作では上位の出来
(2005-03-21)
監督が明かしているように、「ミザリー」のキャシー・ベイツを充分に活かしている。
彼女なら無罪なのか有罪なのか最後の最後までわからない、疑い深い観客ならいまだに深読みしてああなのではこうなのでは?となる(笑)。
邦題の「黙秘」はいまいち、どうして漢字二文字にしたいなら(笑)「日蝕」がいい。
「黙秘」という邦題のせいで見たいと思うのに10年かかった。
邦題が悪い
(2004-02-10)
ヒューマンドラマの感動とミステリーの緊張感がバランスよく融合している作品。青色を基調とした映像の静寂/冷たさが謎解きのキーとなる人間愛の激しさと熱さを増している。しかしこの作品が邦画だとしたら○曜サスペンスかと思ってしまう微妙なストーリーかも。それでも「一人称の語り」で描かれた原作は是非読んでみたい。
違う視点から
(2003-03-15)
原作の「ドロレス・クレイボーン」は、主人公が延々と話し続ける物語でした。これをどのように映像化するのか興味がありましたが、娘からの母に対する視点を加えることにより、見事に解決されています。その意味で、原作と少し異なる意味合いにはなりましたが、それは別として、良く仕上がった作品となっています。なお「ミザリー」で怪演したキャシー・ベイツが今回もいい味を出しており、まさに彼女のために書かれた作品という感じがしました。ただ、原作を読んだ者としては、このタイトルは少し気に入りません。いくら核心部分を話していないにしても、何時間もしゃべって「黙秘」とは・・・。