かあちゃん・・・・
(2005-10-17)
確かに、キャスティングもストーリーも、なんだか微妙に的からずれていて、だからこそ、映画がベタベタにならず、素敵なファンタジックな感じになっていて感激しました。見ているうちに、温かくて、懐かしくて、そして、強くて、清らかな「何か」が、自分の心に湧き出て、いまも留まっています。その「何か」が何なのか、よくわかりませんが、母親を懐かしむとか、そういうノスタルジックな趣向ではなく、近い将来、「母親」となるだろう方々に是非見ていただきたいフレッシュな映画です。かあちゃん・・・
“かあちゃん”は世界を救う
(2004-02-01)
時は天保。大飢饉で苦しむ労働階級を現代の日本と重ね合わせることも出来る。心すさむ人々が多い中で本作がフィーチャーするのは、ある5人家族。未亡人の母、息子4人、娘1人で暮らすこの家族の素晴らしいことったらありゃしない。仕事が無くて盗みを犯す者まで現れる時代で、けれど彼らは自分の生活を切り詰めてまで人助けにいそしむ。どんなに苦しかろうが、正しいこと、人としての誇りを失ってしまってはダメだ。という彼らの信念が、そのまま本作のメッセージでしょう。で、どうなんでしょうか。この正しすぎるメッセージ。
この家族の行いは、はんぱじゃなく正しくて、しかも素晴らしい思慮のもとに行っている。特に岸惠子扮する、かあちゃんこと“おかつ”の並々ならぬ万人への愛情が一際輝く。彼女のもとで育った子供たちが立派にならない訳がない、ということで息子たちにもしっかりと継承されている様子。思えば、現代において、親の権威の失墜は嘆かわしいものです。今の暗い現状の理由は、そこにあるのかも。本作の“おかつ”のような、家族間で倫理観や道徳を司る親がいないから、当然、立派な子供が育たない。それがそのまま次代への不安となっているのかもしれません。
そこで、だからこそ「かあちゃん」は“正しきこと”の見本を提示するのです。「理想に過ぎない」と言われることを分かっていながら、あえて、つま先から頭のてっぺんまで正しいということを見せる。だって現状を打破するには“それ”しかないのだから。正義の再生、素晴らしい志。自己犠牲の精神、なんと美しい。本作を否定することは、結構な勇気を伴います。
いつの時代にも見失ってはいけないもの
(2003-01-20)
天保末期の厳しい時代、重税や飢饉にあえぐ長屋にあっても清らかな心を忘れない一家の物語。現在も経済的には非常に厳しい時代ですが、そのような状況ではともすれば人を信じることを忘れて物的な価値観が優先されがちです。厳しい状況に負けて過ちを犯してしまった人を許し、一家をあげて助け、見返りなど求めず、それが実を結ぶ。世知辛い現在ではファンタジーのような話ですが、どんな時代でも忘れてはいけない貴重なものを思い出させてくれました。「感動」というひと言では語り尽くせない至宝ともいえる作品です。
今まで観た映画の中で一番良かった
(2002-11-15)
この映画は江戸時代、下町の貧乏長屋に住み
女手一つで5人の子供を育て<ている「かあち
ゃん」こと「お勝」(岸恵子)の家に入った泥
棒との心の通い合いを描いた、「人が人を信
じること」がテーマの物語です。原作の山本
周五郎さんが身上とする、人情の細かなひだ
と奥行きを丁寧に表現した、味わい深い作品
です。堅苦しい話だと思う人もいるかもしれ
ませんが、脇役のコロッケさんや常田富士男
さんの演技が笑いを誘い、ほのぼのと暖かい
雰囲気が全編を通じ流れています。観終わっ
た後は、秋晴れの青空のような爽やかな感動
に包まれました。老若男女問わず、全<ての世
代の人が楽しめる素敵な映画です。
何も言う事なし。市川監督に脱帽
(2002-11-02)
モノトーンに近いすばらしい色彩。
監督はこれは寓話といったが、泥棒に入った若者さえ自分の子供にしてしまう、かあちゃん いいなー。