東映ビデオ
凛然とした魅力 (2005-01-30) 1960年代後半の学生運動が盛んだった頃、学生たちが好んで仁侠映画を見たという話をその世代のある作家が書いていた。話は任侠道の美風を守る神津組の受難と最後に訪れるカタルシス。高倉健演ずる清次の魅力は、自分の命も顧みず組の「庭場」を生活の根拠とする露天商やその家族、組員のために奮闘する一途な姿にあると感じた。些かの私心も介入させないその姿は、主君に忠勤を尽くす武士の様でもあり、会社のために過労死すらするサラリーマンの「理想型」を示しているように感じられた。ただ、それが何故往年の学生の心を捉えたのかは、却って謎が深まった。彼らはそういう「理想型」こそを批判していたのだばかりと思っていたのだが。。。一番気に入ったのは、仁義を切る場面である。些か緊迫したその場面は「渡世の掟」の一端を垣間見るようで、任侠道への興味を掻き立てた。この映画には紋切り型という表現には収まらない、一種の形式美を感じた。