研究に足る傑作。
(2005-08-01)
見終わったあとに想像力を働かせることが出来る傑作。そして何から何まで知りたくなる傑作。観たあとに原作を読んでも映画、原作共に素晴らしさが増すという傑作。という意味でフィリップ・K・ディック原作(「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」)と「ブレードランナー」の関係に近い。
そして「ブレラン」を超えるのは主演ジョディー・フォスターの目の演技!目がすごいです、この作品のフォスター。もちろんアンソニー・ホプキンスの異様な余裕をかましている演技!ホプキンス、この映画の総出演時間はたったの12分ちょっと。それでオスカー。史上最短の出演時間でのオスカーとなった。
加えれば傑作「ストップ・メイキング・センス」で音楽映像作品の根源を揺るがしたジョナサン・デミ。「ストップ~」では恐ろしく色見の少ない照明でドキュメンタリー性を印象付けたが、この作品も照明が暗い。だからこそデリケートな陰影が心臓に悪い効果をもたらした。アカデミー史上最も照明の暗い作品でもあるだろう。
そこここで流れるグレン・グールドの演奏によるバッハ「ゴルドベルグ・ヴァリエーション」はしかも初演ではなくグールドの死の間際に再演された「最終ヴァージョン」である。これを選ぶデミの音楽センスには目だけでなく耳まで見張るしかない。
続編の「ハニバル」では奇しくも「ブレラン」のリドリー・スコットが監督。ひどく評判は悪い。でもよく観てください。「ブレラン」のあの青色に照らされたイタリアの街の美しさ!かくして「ブレラン」以降20年の奇跡が連綿として目の当たりに出来るシリーズの第一作、という締め、はどうよ?
何度観ても飽きません
(2003-10-30)
この作品はただのサイコホラーではありません。
その中にレクター博士とクラリスのラブストーリーがあります。
その経過が絶妙なんです。
クラリスの潔癖さ具合がジョディ フォスターにぴったりですね。
レクター3部作の中ではやはりこれが一番です。
目は口ほどにものを言う
(2003-06-07)
ストーリーについては今更言うまでもないでしょう。本作では原作の魅力を損なうことなく映像化されています。むしろ原作とは別に映画ならではの魅力があるとも言えるでしょう。アンソニー・ホプキンス演じるレクター博士が本当に怖い。レクター博士を見事に演じきっています。彼の目の光がとても印象的で、目の光だけでもレクター博士の知性とその異常性が見て取れるのです。物語の中核をなすレクター博士とクラリスの奇妙な師弟関係も見事に描かれていますし、ラストシーンに至っては原作以上に印象的といえます。
サイコホラー
(2002-12-12)
この意味が解らない人にはつまらないと感じるかもしれませんね。
実際、「わけが解らなかった」という否定や「震えた」という肯定、2通りの感想を聞きます。
この作品はホラーです。
ですがその中の「サイコホラー」と分類されるものです。
というか、この作品が「サイコホラー」の先駆けとなったと思います。
人の精神を描いたホラーなのでスプラッタ的なホラーを求める人には向いていません。
また「直接的な恐怖」も感じる事は難しいでしょう。
観る側の想像力と感受性如何に関わってくると言っていいと思います。
そうですね、ストーカーを怖いと感じる恐怖に似ています。
この作品を博士とクラリスの恋愛だと見る方もいますが私はそうは思いません。クラリスは、犯罪者に対する感情と、敬愛してしまう感情の間で揺れ動き、戸惑います。
博士は徹底してクラリスを友人として扱っている・・・ともかく、これはいいですよ。
ハンニバルを見てガッカリした方、こっちは間違いないです(笑)
どこをとっても申し分なしの大傑作。
(2002-06-04)
まずは完成されたシナリオ。
映画公開当時、予告だけでもワクワクさせられました。
またポスターの出来もいい。
よく見れば見るほど、怖くなる(蝶のドクロは女性の裸体?)。
ふたりの演技も申し分ないし、構成も文句なし。
ただ、この作品の出来が良すぎて、
公開後似たような映画が多くなったので初めて見る人には残念かも。