川井憲次の異色作
(2008-07-12)
WXIIIのサウンドトラックです。
あまりカタルシスの無い映画で叙情面(無常観)を強調した作品ですが
そのメンタル面の大半を補っていたのはこのサントラでした。
アクションシーンはエスニカン。
二曲目と三曲目の音楽に注目、劇中このフレーズが繰り返し流れ
秦と冴子の短い縁のはかなさを感じさせてくれます。
美しいけどどこか虚無感を感じさせる音楽。
そして最大のクライマックスのどこかゆっくりとしたピアノ曲。
映画画面よりも注目してしまった音楽です。
ある意味映画を持たせた音ともいえます。
例えようのない悲しみ
(2008-06-19)
最後のラスト・ラインと言う曲が最高です!思わず心に響きました。空撮とこの曲が同時進行していく所は一生忘れません!
愛のエチュード
(2007-07-25)
劇場版「P2」に引き続き、3度目の登板となった力作。
前2作とおのずと比較すれば、本編自体が「パトレイバー」というより
ハード・ボイルド刑事モノ+怪獣モノということもあり、
作風が一変している。
メロディアスな部分は、ほぼ除外され、民族楽器店で発見した
真鍮で出来たカウベルのような楽器を、これまた特殊な環境で
録音した、という記述がライナーに記されているが、絶大な効果を
もたらしている。
インドネシア・バリのガメラン音楽のような、しかし、不安と不穏を
煽るような不気味で不思議な音楽。
いつもの「川井節」はせいぜい、前述の楽器購入から録音に
至るエピソードを記したライナーぐらいである。
余談であるが、このライナーで記述のあった「怪談」の
スコアも川井氏が担当することになったが、偶然とはいえ
不思議である。(中田監督作品)こちらも楽しみ。
バッドなシンセを駆使したホラー映画のスコアも十八番の川井氏では
あるが、これは全くの音響実験彫刻のようでもある。
このまま、現代音楽のスコアとして店頭に置いても全く違和感が
ない。
ただ果たして「パトレイバー」ファンに受けるか?というと、よっぽどの
マニアか川井氏マニアでないと、これは厳しいかもしれない。
例えば「P2]にあった盛り上がりは、ここには一切ない。
淡々と、そう、まるでアンビエント音楽のように流れてゆく。
しかしリアリスティックな映像を喚起させる緊張感を全編強いるので
おおよそサントラ・スコアとしての楽しみは薄い。
一瞬、緊張感がほぐれ落ち着く瞬間が訪れる。
ヴェートーヴェンの「ピアノ・ソナタ」。
しかしエンディングはまたしても、虚無感を押し出した
(映像本編がそうであったように)辛い終焉をイメージさせるトラックで
終わる。
川井氏のスコアとしてとりわけ、異質なモノとして位置づけられるが
単体作品としては、いつもの「捨てトラック」は一つもなく、完成度は
非常に高く素晴らしい作品となった。
映画を見てから聴くと、なお良し!
(2002-11-30)
派手さは余りありませんが、映画を見てから聴くと非常に感慨深いものがあります(これぞ劇伴!)。
SPECIAL EDITION のレコーディング風景を見た後はなおさらです。
ブックレットには川井憲次さんご本人による音楽依頼からレコーディングまでの
エピソードがあるのですが、こちらにも川井節が出ております。