「月から降る水」
(2004-12-17)
インドネシアでは、けして手が届かないものをこう表現するそうな。
この映画でアカデミー助演女優賞を獲得したリンダ・ハントが、その感動的な受賞スピーチに使っていた言葉です。
ピーター・ウィアー監督作品には、この「手が届かないながらも(それを知りながらも)より良いほうへ向かうように力を尽くす」人間への暖かい眼差しが共通しているように思います。その描写は透徹して公平、一貫して品位を感じます。
この映画はその姿勢が最も顕著に現れている作品ではないでしょうか。
文句なく傑作
(2003-12-17)
ピーター・ウェアーの作品の中でも、ジョンブックと並ぶ傑作。ジョンブック同様この作品はジョン・シールが撮影監督、モーリス・ジャールが音楽を担当しているが、この組み合わせは本当に素晴らしい。ピーターウェアーはジョンブック以降“モスキート・コースト”のあたりからより商業的作品づくりの傾向を強めていくが、個人的にはそうなる前のウェアーがもっとも気に入っている。インドネシアのスカルノ政権末期の混沌とした情勢の中で死にゆく者、必死に生き、闘おうとする者、それを世界に報道しようとするジャーナリスト達。さまざまな人間の生き様を、精緻かつ耽美的ともいえる映像で描ききっている!傑作である。