ブッシュ大統領も欲しがる(?)証拠映像
(2003-11-13)
映画としてはよくできていて楽しめます。主役二人の演技と言い脚本と言い、一流の映画と言えるでしょう。
ただ、イラク戦争そのものの是非が問われ、また最近になってジェシカ・リンチさん救出で軍の情報操作があったと伝えられたりしている現在の状況では、この映画の評価はしづらくなります。
たしかに群衆の中に銃を持ち発砲している者(子供までも)がいたという事実を観ている者は知ります。が、最終的に正義=アメリカという構図があるような気がどうしてもします。
難しく考えずに娯楽映画として観るべし。
戦争の真実と正義とは何か?反戦主義者もとくと考えるべし!
(2003-11-12)
サミュエル・L・ジャクソン演じるチルダース大佐は、女子供を含む「市民」の機銃による猛攻撃を受け、これに応戦したことで「市民虐殺」の告発を受ける。この問題は、実は日本人として看過できない重要性を持っている。
ベトナムでアメリカは初めて「武器を持った女子供を攻撃せねばならない」という、軍人としての職務遂行と人間としての倫理観との板ばさみを体験実感した。が、日本軍はその何十年も前に中国大陸や東南アジアでこれを経験し、辛酸を舐めていた。女性ばかりの便衣兵(市民服を着、武器を隠し持つゲリラ)に騙されて接近、機銃掃射を受けて一個小隊全滅したこともあったのである。今も非難され続けている日本軍の「市民虐殺」(「南京虐殺」を含め)とは、殆どこのゲリラ殺害・処刑のことである。
戦時国際法の交戦者の資格条項によると、1)指揮官の下、2)制服か認識票を着用、3)公然武器を携帯し、4)国際法を遵守すれば、市民も「交戦者」として認められ、捕虜になって相応の待遇を受ける権利が与えられる。つまり、「市民が武器をもって敵正規兵に攻撃を加えた時、これは戦闘行為と見做される」ということであり、それら市民の死は「戦死」ということである。しかし上記条件を満たさない場合は戦争犯罪人として処刑されうる。この映画のイエメン市民は後者の疑いがあるが、どちらにせよ武器を持って攻撃を加えた時点で「非武装の無辜の民」ではなくなる。それがこの事件の真実であった。このことを以て「それは所詮軍人にとっての正義に過ぎない」とするのは感情論である。この映画には検察側証人としてベトナム人将校が登場するが、彼は自分もチルダースの立場に立てば同じ事をした、と認める。彼もまた、軍人としての矜持を持った男であった。ベトナムはやむなくゲリラ戦法を取るしかなかったが、女子供も戦士として勇敢に戦った、との思いがあったのではないか?それを「市民虐殺」とたばかって無実の人間を陥れるという行為は、ベトナム人の名誉の戦死をも汚すことになるのではないか?法廷を出たチルダースに彼が敬礼をしたことが、彼の祖国への誇りも表している、と言ったら穿ち過ぎだろうか。
戦争での本当の「市民虐殺」を防いでいるのは、実は「戦争は軍人同士がするもの、武器を持たぬ無辜の民を殺めはせぬ」という、彼等の軍人としての矜持・誇りなのである。
暴動の現実
(2003-09-27)
トミー・リー・ジョーンズとサミュエル・L・ジャクソンという、渋い二人が共演しています。二人はベトナムを一緒に戦った戦友なのですが、ジャクソンふんする大佐がイェメンのアメリカ大使館銃撃事件で大使夫妻を救出するという任務を受け、その際武装した市民に発砲したことを軍法会議で裁かれることになります。その弁護を担当するのが、リー・ジョーンズなのですが、ジャクソンを見せしめにしようとする政府の妨害の中で無罪をはらすのは困難ではありません。アメリカに対するテロ活動や、戦時下という極限状態についての描写は鋭いのですが、なぜこのような状況になったのか、という問題が問われている時期には、タッチーな作品のように思いました。
これぞ男!正義と友情のストーリー!
(2001-08-15)
世に法廷劇はあまたあれど、「軍法会議」を舞台とした作品は常にその正義を深く追求するものと言えるでしょう。
舞台はアメリカの軍事進出を快く思わない中東のイエメン。 アメリカ大使館前に集結した現地のデモ隊から駐在大使夫妻の 救出を命じられた歴戦の勇士チルダ-ス大佐(S.L.ジャクソン)は暴徒と化した群集から部隊を守るために発砲を命令。83名もの現地人を殺害する。国際問題化することを恐れた国務省は大佐にその責任を取らせるべく軍法会議を召集する....
原作は湾岸戦争当時レーガン政権の下で海軍長官を勤めた元海兵隊員のジェームス・ウエッブ。そしてドキュメンタリー映画出身の巨匠、ウィリアム・フリ-ドキンが監督する緊迫の作品です。撮影にはアメリカ海軍/海兵隊とモロッコ空軍が全面協力、さらにスタッフには元海兵隊大尉のデイル・ダイ(第2海兵師団長としても出演)を迎え、軍事アクションとしても超一級の仕上がりを見せています。
ベトナムでチルダースに命を救われたホッジス大佐(T.L.ジョーンズ)は弁護を引き受けるが、圧倒的に不利な状況に苦戦。遂に訪れた最終弁論で陪審員に訴える。「海兵隊員は決して仲間を裏切らない。陪審員諸官もそうであって欲しい」この作品の企画の最初の段階で原作者は「海兵隊員は仲間のためには自分の命も厭わない」ことを主題とすることを決めていたという。まさに元海兵隊作品だと言えるだろう。
なお、原題名の「Rules of Engagement」は日本語では「交戦規則」の意味で、戦場における軍隊の行動を規定する法律に準ずる規則のことである。