ディレクターという職業
(2005-05-10)
賞をもらえないというディレクターという職業が巧妙に表現されています。最後ちょっと悲しいですが、、
戦争をプロデュース
(2004-02-09)
ワグ・ザ・ドッグ、犬に振られる尻尾が逆に犬を振る(ワグ)本末転倒を意味する題名、情報をうまく操作することで世論を振り回す様子を喜劇的に描き出す映画である。
題材的には時事風刺ネタであるが、いきなり陰謀に巻き込まれた人たちの困惑ぶり、「英雄候補」の切れっぷり、「100%現実だ」と豪語するプロデューサーの矜持など作りこみが丁寧なため色あせない。
よれよれな格好の揉消し屋をロバート・デニーロが、こてこての成金プロデューサーをダスティン・ホフマンが演じる。ちょっぴりシニカルな一本。
アメリカの情報宣伝活動を暴いた「名作」
(2003-04-13)
この映画はそれ自体はフィクションである。
しかし、作成された年度からみて、これは明らかにクリントン元大統領のルインスキー事件を受けて、クリントン政権が関心を国内から国外に逸らすために、ソマリアの化学兵器工場(実際はただの薬品工場)を攻撃したという事実に基づいて作られた、アメリカ政府によるメディアを利用した情報操作(プロパガンダ)を暴いた映画であることは明白である。ただ、それにとどまらず、実際の米国の情報工作を見抜く上にも大いに役立つ。
難しいことを言わなくても、十分に楽しめる映画。スピンドクターのデ・ニーロが、映画プロデューサーのホフマンと組んで、次々と、戦争の脅威や、戦争に立ち向かうアメリカ、そして戦場のヒーローをすべてでっち上げていく様子の描!かれ方は、抱腹絶倒、笑いを誘うことは請け合いだ。
湾岸戦争では、「油まみれの水鳥」、「偽のイラク人少女ナイラの証言」などの米側のプロパガンダ作戦があったが、2003年のイラク戦争においても、様々な情報宣伝があったに違いない。例えば、この映画の中の、「古靴-シューマン軍曹」のエピソードと、19歳の美人兵士・ジェシカ・リンチの救出劇を比較してみると面白い。この映画の脚本家は、過去の情宣活動をつぶさに調査したに違いない。
薄っぺらい反戦平和のメッセージを発信する映画もむろん良い。しかし、このような、コメディタッチの映画を通じて、権力の腐敗を暴くという手法のほうが面白い。反戦運動家にも是非見ていただきたい映画である。
懐が深いアメリカ
(2002-08-25)
大統領のホワイトハウス内での女性スキャンダルもみ消しのため、国民の目をまったく異なる方向へ向けるための作戦がホワイトハウス職員のデニーロを中心に開始される。マスコミをだましきるために、ありもしない戦争勃発を真実味をもたせて作成することになり、ホフンマンの映画作成能力をかって雇う。ところがやがてホフマンが自分の思いどうりにさせるように要求をだすあたりになって、雇う側、雇われる側、主従関係に溝が生じると同時に、話が面白くなってくる。
思わず実在の大統領を頭に浮かばせてしまったが、このストーリー作成年度との前後関係はわかりませんでした。
あり得る話だから、面白さも倍増するのですね。
どちらにせよ自国の最高責任者を、このような状況においた映画作成がゆるされる国アメリカの懐の深さに感嘆する。