アニメーションの至宝
(2004-07-06)
サスペンスに満ちた展開、冗長で内面吐露的ながら耳に心地よい台詞、リアルな映像。全てにおいて高いレベルでまとまっており、パトレイバーのファンだけのものにするには勿体ない映画。
点数は4.5。0.5引いたのは高すぎる値段に。
10年前の話ですが
(2003-11-22)
11年前、自衛隊をカンボジアに派遣する時
集団的自衛権を持たないまま派遣するか論議になっていました。
この映画のオープニングはまさにそれを現しています。
そして幻の空爆は犯人から
「自衛隊員は攻撃を受けても反撃を許されなかった。
それでは自分の身に降りかかった時どこまで我慢できるんだ?」
という問いかけにも聞こえます。
自衛隊をイラクに派遣しようとしていますが
11年前と全く変わっていない日本を考えるのに
良い映画ではないでしょうか?
押井色の強いパトレイバー
(2003-09-28)
前回の劇場版パトレイバーtheMovieでシリアスとコメディを織り交ぜ観客を楽しませてくれた鬼才・押井守が放つ劇場版パトレイバーの第二弾。
今回の作品は前回のようなコメディな部分がなく完全なシリアス路線。またパトレイバーとしての娯楽色が薄らぎ、その分、押井守の色が濃くなった今作だが、押井を知らない一般人でも楽しめるよう映像や物語で魅せてくれる。ゲスト声優に俳優の竹中直人を起用したのもベストチョイスで大人の渋い声で語られる世界観も見ている人を押井守の世界へ引き込む。理屈っぽい映画ではあるが見て絶対損はしない作品だと思う。
私のオススメ。
(2003-09-05)
限りなく5星に近い4です。
このDVDのオススメな場面は、キャプチャータイトル「幻の空爆」です。
防空指令が未確認の自衛隊機を発見そして自衛隊機ウィザード03が追尾を開始。その姿をとらえる事をできずに
ただ翻弄されるばかりの司令室に響く、ウィザードの撃墜を報せるコール。ついに司令室は未確認の自衛隊機に対し撃墜命令を下します。
この場面を境に自衛隊、警察、政府の確執が一気に表面化し、この作品
のクライマックスへと続く混乱に,さらなる拍車をかけていきます。
臨場感を余す事無く収録したこのDVDの完成度は何かの比ではないと思います。
建前と本音
(2003-08-27)
色々と難しい解釈も出来る映画だが、評者には、ミリタリーマニアが「東京で自衛隊が暴れる姿を出来るだけリアルに見たい」と思って作っただけの映画のように思える。
監督は「うる星やつら2」や「攻殻機動隊」でも知られるジャパニメーションの巨匠。本作は情報テクノロジーを奇貨として現実の認識論的な再検討を行うものである。このテーマは押井の基本テーマで「うる星やつら2」、漫画「とどのつまり」、そして本作と、いいかげん別のネタは無いのかといいたくなるほどに繰り返されてきた。
本作で描写される東京と戦争のディテールは偏執狂的に細かく、まさにミリタリーマニアの夢そのものである。このようなテーマの映画が世界で稼ぎ出せる収益、日本社会の映画撮影に対する協力度、そして俳優の演技力を考えれば、この映像はアニメでしか実現できなかっただろうし、それをこのレベルで完遂した監督のこだわりには素直に脱帽したい。ところどころに小津映画やソープオペラのパロディが挿入されるのも気が利いている。