劇場版1作目
(2006-09-15)
制作は1989年だが、その頃にこんな内容の作品が作られようとは誰が想像したであろうか?
一人の男の死とレイバーの暴走という、まるで関係のないようなシーンから始まり、暴走事故の多発に悩まされる第二小隊を通じて、冒頭で自殺した男が仕組んだコンピューターウィルスによるレイバーの暴走事件を追っていくストーリーは見事としか言いようがない。
暴走原因も、いくつもの複線が張られ、やっとすべてが終わったと思いきや、
イングラムと零式の決戦が最後の最後で登場したりと、文字通りの息をつかせぬ展開に手に汗握りました。
ラストも澄み渡った空に飛来するヘリコプターと歓喜する隊員達にホッとして…お見事!!としかいえません。
機動警察パトレイバーを押井守ワールドで一気に飛躍させた劇場版第一弾!
(2006-03-20)
機動警察パトレイバーの劇場版作品第一弾だが
原作を監督の押井守ワールドで一気に飛躍させた名作となっている。
16年前の1989年に制作された作品とは思えないほど、
2006年現在の現代社会の問題点を浮き彫りにしている。
人型機動マシン・レイバーの暴走によって物語は始まり、
やがて天才的なプログラマーの犯人像とその心の闇が浮かび上がってくる。
機動警察パトレイバーのキャラクターもそれぞれ良く生かされており、
犯人像とその心の闇を追いつめていくサスペンス的な要素と、
暴走の原因究明を突き詰めていくコンピュータマニア的な要素、
そして勿論原作からの人間臭さやアクション的な要素と
色々な要素が盛り沢山で非常に贅沢な作品となっている。
真夏の照りつけるような暑さや
子供の頃感じた台風が来る時のワクワク感なども思い出すことが出来て
最後には台風一過のスカッとした爽快感と、試合に勝った時の様なチーム一体感も味わえて
社会の暗い部分への警鐘は考えさせられるものの、
非常に気持ち良く見終われる作品である。
制作された16年前は現在ほどコンピュータも普及していなかったし
インターネットもそれほど普及していなかったのに、
まるで予言していたかの様に現在社会問題化しているウィルス問題等々を当時からテーマにすることで、
コンピュータ化に依存しすぎている現代社会や
急速に近代化し形骸化している大都会の現実に警鐘を鳴らしている。
現在上映されても全く遜色ない、と言うか最近制作されたかと思わせるほど
現代社会の問題点を見事に予言した非常に素晴らしい名作である。
最高の『映画』
(2004-01-04)
「踊る大捜査線」にも影響を与えている本作。公開当時は1980年代後半ですが、今観ても全く古さを感じさせない逸品です。パトレイバー全体に言えることではありますが、非常に現実(当時の未来)を反映した内容です。特にこの劇場版では、当時は一般的ではなかったコンピュータウイルスをテーマにした物語ですので、今観るとあまりに身近な問題なだけに非常に恐ろしいです(結局2000年問題は何も起こらなかったけ)。
そして、美しい映像美もこの作品の大きな魅力で、昨今のアニメにありがちな、無駄に使われるCGが全くなく(まぁ当たり前かもしれんけど)、使うべきところで効果的に使われているのが印象的です(箱舟内部の地図など)。しかし、何よりも色褪せないシーンは、松井刑事と相棒が帆場の足跡を追いかける時の、幻想的とも言える、ノスタルジックな街並と音楽です。ここに、帆場が事件を起こそうとした動機が垣間見れます。
上記のように、押井監督のセンスが光った本作ですが、コミックやOVA、TVシリーズなどの「パトレイバーファン」にも安心して観れる要素(つまり第2小隊の活躍)が多くあり、高い娯楽性を持つのも魅力です。続編の「2」や、非押井作品である「WXⅢ」では、特車二課の活躍は殆どなく(3なんてオマケ程度)、グリフォンとの戦いに汗を握っていたファンを置いていってしまったのではないでしょうか?
様々な要素を持つ本作(サスペンス、アクション、ギャグ、)は、ありとあらゆる人に観て楽しんでいただける名作だと思います。
コンピュータウィルスを扱う良作ミステリー
(2003-09-29)
劇中の時間(1999年)を現実が追い越してしまったが、内容はまったく古びていない。それどころかウィルスがありとあらゆるコンピュータに感染するという事態、コンピュータウィルスが社会に与える影響度は製作当時よりも現在のほうがより現実的かつ深刻ではないだろうか?(当時はここまで一種類のOSが広く使われるという事態は想定できなかったと思う)。
頻発するレイバーの暴走。出動が重なる特車2課。一方で捜査課の松井刑事らは地道な捜査を行っていた。
暴走の原因が新型OSにあり、そのOSにウィルスを忍ばせていたのは開発者自身であったという衝撃の事実。開発者はすでに冒頭に自殺しているという変則的な展開ながら、ミステリーとしても秀逸。犯人を追う松井刑事らの地道な捜査や彼らが訪れる閡?発中の東京の街並みが美しい。
謹慎処分を受けた篠原遊馬とシゲさんが下宿先でデータから犯人の狙いと、ちょうど台風が来ていることを見つけていく場面は何度見てもドキドキ感にあふれる。
冒頭に描かれる自衛隊の最新レイバーの暴走事件と鎮圧に投入される空挺レイバーの降下シーンが格好よい。かの“踊る大捜査線”にも影響を与えたという、警視庁内での会議シーンも地味ながら、注目シーンのひとつだろう。
前半の緊張感のある展開に対し、後半特車2課が“箱舟”に突入してからの展開やタイプゼロvs98式との格闘戦など描き方がマンガ的になるのが残念。ただし全体の完成度は高いため、決して悪いわけではない。川井憲次の音楽も印象的。
また作品が描く近未来社会の時代背景となる東京湾を埋め首都圏全体の土地不足を解消するというバビロンプロジェクトには、本作が製作されていた頃のバブル期当時にあったある種の高揚感を感じることができる。
文句無しのアニメ映画
(2003-09-28)
「面白い!」この映画を語るときはこの一言に尽きると思う。私はこの映画を見るまで押井守の存在もパトレイバーも知らなかったが、この作品の持つ魅力に惹かれた。さらに、この作品が作られた年代をみて素人目でもわかる映像のクオリティの高さ美しさにも驚いたものだ。そして珍しくこの作品は押井守の作品で必ずと言っていいほど出てくる押井色(独自の世界観や理屈っぽさ)が意図的に弱められ幅広い層に受け入れられる作り方がされており、この点も逆に評価できると思いパトレイバー2よりも評価の高い星5つにさせて頂いた。まだ見てない人には必ず見て欲しい作品の一つでもある。