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戦争はいかに「マンガ」を変えるか―アメリカンコミックスの変貌 お気に入りに追加
小田切 博
出版社・発売元:

NTT出版

媒体: Book
ランキング: 222351
発売日: 2007-03
カスタマーレビュー

これ一冊でアメコミ事情がわかる  (2007-08-09)
とにかく情報量が凄まじい。それも最新のものばかりである。アメコミというとすぐ『スーパーマン』や『バットマン』などのヒーローものという印象が強いが、これを読むと実に多様なコミックが存在するということがわかる。

興味深いのは日本のマンガとの関係である。日本のマンガとコミックが現在どのような関係にあるのかビビッドに描かれている。

さらに面白いのは9・11がコミックに与えた影響である。タイトルの戦争とは主に9・11のことを指しており、これがどのようにコミック・ライターに深刻な影響を与えたのかが豊富な実例によって証言されている。その意味で現代アメリカの優れた文明批評にもなっている。

著者そのひとが自分の論述トリックに気が付いていない!  (2007-05-24)
あちこちで評判を耳にするので手にとってみたのですが…

労作だとは思う。アメコミ=マッチョな阿呆男がタタタターン、という印象が定着している(実際そうなんだけど)なか、例の9・11テロによってアメコミ表現がどう変質せざるをえなかったのかを膨大な資料や実例を元に論証しています。

便利です。読みやすい本です。だけどこの著者どの、サブカルチャーで政治を論ずるのは不健康という立場から論説を進めているのが気になります(その姿勢が正しいのかどうかは私には分からない)。ただ、そういう立場を歌いながら、そのくせ9・11をきっかけに米国で評判になったというブッシュ叩きのアメコミは妙に褒め称えたりと、二枚舌なロジックが随所にあって鼻白みます。

なんてことはない、いわゆるサヨク良識寄り=善、それ以外=悪という、大塚英志あたりがくどくど繰り返しているいつものアレなんです。サブカルの政治性批判という建前とは裏腹に、そう論ずる人間こそがおもいっきりサブカルを自らの政治的主張の場所にすりかえようと必死になっている。そういう類の本です。

情報量ぎっしりなのにさくさく読めるのはこの著者の力量ゆえですが、意地の悪い言い方をさせてもらうと、論の骨格をなす問題意識が従来の(今は少数派になりつつあるとはいえ)良識サヨクなので、論の展開がある程度は先に読めてしまうのです。

編集さんは『テヅカ・イズ・デッド』も手がけた方のようですね。きっと優秀な方なんでしょうけど、どうして以上のようなツッコミを入れなかったんだろう。9・11でナショナリズムに目覚めたアメコミ・ヒーロー達を著者は懸念しているけど、例えば昨年公開の『スーパーマン・リターンズ』では星条旗がろくに画面に出てこなかったという逆の事実をどう説明するのか、等。

著者のねじれた政治的メッセージに目がくらんでしまった方には『右翼と左翼』(浅羽通明)をお勧めします。いいえ、これはサブカル評論ではないんだけど、解毒剤にはいいかも。

非常な労作  (2007-03-21)
アメコミマーケットのおかれる立場とマンガと政治・そして戦争についてを論じた大作。
アメコミだけではなく日本のマンガについても言及しているけれど、メインはアメリカについて。
特にマンガを今世紀の日本の世界に向けたメイン商品と位置づける人々は是非読むべきだと思う。アメリカというマーケットを誤解していないかどうか、あらためて考えさせられた。

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