《爆笑》の神話。
(2010-02-09)
本書は、専門家の方が書いた、《インド神話入門書》である。詳しくは知らないが、専門家の仕事なので、学問的にはかなり正確な本であるらしい。また、文章も非常に分かりやすく、ちょうど《ファンタジー》を読んでいるように楽しめる。でも、肝心の物語の内容は、いい意味で《爆笑》である。インドの神々の、あまりにも《アバウト》で、あまりにも《イージー》な性格は、良い意味で非常に楽しめる。みんな真面目にやっているのだが、やること全てが《出たとこ勝負》である。このインドの神々の、いい意味での《大らかさ》は非常に素晴らしいです。話によると、インドでは神様は《信仰》の対象であると同時に、一種の《アイドル》であるとも聴きます。私は、特定宗教を支持する者ではありませんが、非常に面白く、かつ、勉強になる本でした。《物語》が好きな人なら、誰にでもオススメできる《名著》だと思います。
これはです。
(2006-07-20)
とても読みやすいです。また神話を話した後は必ず出典を明記してくれ、
さらに他のヴァリエーションについても簡潔に解説してくれています。
構成も良く、『リグ・ヴェーダ』『ブラ−フマナ』の神話についても解説があります。
紹介している神話に統一感はありませんが、
大叙事詩『マハーバーラタ』や『ラーマーヤナ』が翻訳されるさい、本編と直接関係ないために、
削られたり、簡略化されたりしかねない有名な神話伝説をよく紹介しています。
またヴィシュヌ神については聖典『バーガヴァタ・プラーナ』から、
10の化身のほか、クリシュナの伝説について十分に述べてくれています。
特にクリシュナ伝説はあまり知らなかったので、とてもうれしかったです。
(ただし、シヴァ神についてはあまり詳しくないかも…)。
というわけで、
良い入門書が欲しい初心者な人にも、玄人な人にもオススメできる良書です。
インドの神々とは
(2003-01-19)
元はこの本は筑摩書房ではなく他の出版社から発売されていたそうだがそれはかなり昔の話だそうだ。恐らく筑摩書房から同じ訳者で『マハーバーラタ』が発売されているからであろう、『マハーバーラタ』鑑賞ガイドみたいな形で出版したのだと思われる。
前書きにも書いてあるように、巷に出回っているインド神話の解説書は二次的資料を使った物が多く、本来のインド神話の姿から遠ざかっている嫌いがあるように思われる。インドの一大叙事詩であり、数々の神話を内包する『マハーバーラタ』などを底本にして、出来たのがこれである。
内容は二次的資料を極力防いだとされるためか、インド神話の基本が矛盾なくまとまっていて、かつメジャーな神話が過不足なく紹介されていて、インド神話初心者でも安心して読める。あとがきでも著者はその辺を自負しており、かなり誇りを持って自薦しておられる。お堅い著作にしてはシンプルでわかり安いところがこの本の良いところであろう。
インドに興味がある人や、インドのお寺を観光する人にお薦めである。聞くところによると、神話を知っているとインド人と親しくなりやすいとか。またインドだけでなく東南アジアにもヒンドゥー文化の影響が至る所に残っており、そういった地域に興味がある人も読んで置いて損はない本である。