「教」でないヒンドゥー
(2009-10-20)
ヒンドゥーとはどのようなものか。
非常に説明が難しい。
「教」と付けるので、宗教という側面から捉えるとどうも漏れ落ちる部分が多いように思う。では倫理や哲学かというとそれも一面しかとらえきっていないだろう。社会や文化への影響も非常に強いものがあるが、ヒンドゥーの主要な要素とは言い切れない。
敢えて言えば「生き方」といえるだろうか。
著者はインド滞在経験の長いインド研究者。ただ宗教が専門ではない。
自らが疑問に思い、自らの目で見たヒンドゥーについて、長年暖めてきた構想をまとめ上げたのが本書である。
哲学や宗教史としてヒンドゥーをまとめるのではなく、庶民の信じる信仰世界を中心に記されている。厳しい戒律を皆が守れるわけではなく、修行者もみながみな精神世界に専修仕切れるわけでもない。現実とどう折り合いを付けているかと言った部分はほほえましくあるが、バクティ信仰やカーストの現実の苛烈な側面を見るとやはりヒンドゥーという生き方の特異性を感じざるを得ない部分もある。
それは副題の「インドの聖と俗」こそが本書の内容もヒンドゥーの特徴もよく表しているのだろう。聖と俗は対立するものではなく、併せ呑むものである。聖と俗の混交にこそヒンドゥーの魅力がある。著者も魅せられた聖と俗の一端を知ることが出来るのが本書である。
ぜひ図解をつけてほしい。
(2008-05-12)
バリ島を旅したときに、至る所にあるヒンズー教の寺院や、日々の生活に溶け込んだ様々な儀礼や習慣に興味を持ち、帰国後ヒンズー教について調べてみようと思い購入した書籍の一冊。
若干ページ数が多いですが、著者自身によるインドへの旅の経験談なども織り交ぜ、大変興味深い一冊になっています。ヒンズー教の基本的な枠組みやコンセプトを知るのには、有用だと思います。
ただ、(当たり前ですが)ヒンズーの言葉がたくさん出てくるので、だんだんと分からなくなってきます。
たとえば、神様の関係図や分類図などを掲載して、いま説明しているのがどの神様のことか図解するなど工夫してもらえると、さらに理解が深まると感じました。
すごく読みやすいです☆
(2007-11-29)
価格からも分かるように、新書サイズでも、
少しずっしりとした重みがありますが、
読み始めると、パラパラと読み進められます。
だからといって、内容が浅いというわけでもなく、
へぇ〜、へぇ〜、といった感じでどんどんと読めていってしまいます。
ヒンドゥー教に興味があるかたは、とっかかりの本として
よいのではないでしょうか??
わたしは、ヒンドゥー教の卒論の参考文献として
いろいろな本を読みあさってる最中に読んだのですが、
この本は卒論のことを忘れて楽しく読めました。
インド庶民の信仰を活写したヒンドゥー生活案内書
(2003-08-30)
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親しみやすい「ヒンドゥー教入門」
(2003-08-10)
『ヒンドゥー教―インドの聖と俗』というタイトルとページ数から、かなり専門的に書かれた「やや小難しい新書」かと想像していたのですが、手にとって見ると存外「素人読者向き」に分かりやすく記されていたので、ある意味で安心しました。たとえば、ヒンドゥー教の三大宗派を「シヴァ派」と「ヴィシュヌ派」と残る一つは「ブラフマー派」だと思っていた、等と書かれているあたりを読むと微笑ましくなりますよ。 現代もなおインド亜大陸に生きている宗教の実相を知るうえでも、なかなか興味深い本です。